地球上でもっとも強い生物は何――?生物好きなら誰しも一度は考えるであろうこの疑問。
そもそも、最強と言われる生物たちはそれぞれ生息域が異なり、それぞれの環境に適応して進化してきたため、「どれが一番か」なんて考えること自体がナンセンスなのかもしれない。「最強生物ランキング」なんてもってのほかだ!
しかし、「最強の生物が何なのか」という疑問を突き詰めて考えていくと、動物や植物が生き延びるために獲得した面白い生態が見えてくるのだ。
そこで今回は、筆者の独断と偏見で「地球上でもっとも強い生物(動物・植物)」を色んなジャンルごとに集めてみたぞ!色々とツッコミどころはあるけれど、色んなおもしろ生物を知るキッカケになってくれれば問題なしだ!
- 1 史上最強の生物一覧
- 1.1 最強の海洋生物「シャチ」
- 1.2 最強のトカゲ「コモドドラゴン」
- 1.3 最強の鳥「ヒクイドリ」
- 1.4 最強の虫「クマムシ」
- 1.5 最強の再生能力「プラナリア」
- 1.6 世界一食べ物無しで生き残る「ホライモリ」
- 1.7 寿命がない生物「ベニクラゲ」
- 1.8 世界一の猛毒クラゲ「キロネックス」
- 1.9 最強の毒蛇「ブラックマンバ」
- 1.10 世界一怖いもの知らず「ラーテル」
- 1.11 最強のアリ「サシハリアリ」
- 1.12 最強の毒カエル「ヤドクガエル」
- 1.13 最強の猛毒ペット「イワスナギンチャク」
- 1.14 世界一危険な樹「マンチニール」
- 1.15 世界一の痛い植物「ギンピーギンピー」
- 1.16 世界一最凶の生物「人間」
史上最強の生物一覧
最強の海洋生物「シャチ」
クジラ目マイルカ科に属するシャチ。北極圏から南極圏まで地球全体の海が生息域だ。
自然界においては人間以外に天敵はいないとされており、アザラシやペンギンはもちろん、氷上にいるホッキョクグマまで襲うこともある。

英名では「killer whale=クジラを殺す者」と呼ばれているように、自身の何倍もの大きさのクジラをも捕食することで知られており、ザトウクジラや世界最大の生物であるシロナガスクジラも捕食対象だ。
時速60~70㎞で泳ぐ「哺乳類最速級の遊泳力」を誇り、1日に100㎞もの距離を移動することもある。
最強のトカゲ「コモドドラゴン」
インドネシアのコモド島と周辺の島々に生息する最大全長3メートル超の世界最大のトカゲ。食性は獰猛な肉食で、スイギュウやイノシシなどの大型哺乳類のほか、コブラなどの毒ヘビやワニなども食べる。

硬い肉も切り裂くノコギリ状の歯からは、血液の凝固を阻害する毒「ヘモトキシン」という成分が検出されており、噛みつかれた獲物は出血が治まらずに死亡してしまうことが分かっている。
過去には人間が襲われた事例も多く、人間がコモドドラゴンに捕食されて亡くなった事故も報告されている。
他にもコモドドラゴンのメスは、オスがいない状況でも単為生殖が可能であり、子孫を残すことが分かっている。
最強の鳥「ヒクイドリ」
ヒクイドリは地球上で二番目に重い鳥とされ、その体重は85Kg。体高は190㎝にも達する。飛べない鳥ではあるが脚力が強く、時速50㎞で走ることも可能だ。

脚にはスパイクのような12㎝の鉤爪が付いており、鉄板をも曲げてしまうほどの強烈なキックを繰り出すことができる。
基本的には好戦的な性格ではないと言われており、日本の動物園でも飼育されることもあるが、人間がヒクイドリに襲われて死亡する事故もたびたび発生している。
最強の虫「クマムシ」
熊のような見た目から「クマムシ」の愛称で知られる緩歩動物。体長50µmから1.7mmの微生物で、水草や苔の隙間などに無数に生息している。
クマムシは生物の中でも最強と言えるほどの耐性強度を持つことで知られており、-273℃の絶対零度から151℃の高温でも死なず、高線量の放射線にも耐える。
宇宙空間という過酷な環境でも10日後の生存が確認されており、2019年に月面に墜落した月探査機にクマムシが載せてあったことから、月でクマムシが生き延びている可能性もあるという。
最強の再生能力「プラナリア」
生物の中でも最強の再生能力を誇るプラナリア。プラナリアの身体を二つに切断すると数秒足らずで2匹のプラナリアに分裂し、それぞれが別の個体として成長していく。
100個の断片に滅多切りにしたところ、100匹のプラナリアに分裂したという話もあるほど。身体の一部からでも脳や眼を含む頭部が生えてくる驚異的な再生力だ。

近年、プラナリアの頭部と尾部に分裂させたところ、尾部から再生した個体にも切断前の記憶が残っていたとする実験結果が報告されており、脳以外に記憶を残していた可能性があるとして注目されている。
世界一食べ物無しで生き残る「ホライモリ」
食べ物を一切摂らずに長期間生き続ける動物としては、ダイオウグソクムシなど数種類の生物が確認されているが、ホライモリはエサ無しの飼育環境で10年間生存することが確認されている断食が得意な生物の一つだ。

大きさは全長30~40㎝程度で、洞窟の中に生息するため体色が白く、眼は退化して皮膚の下に埋没している。
両生類の中でも特に長寿であることもわかっており、平均寿命は約68.5年、最大では100年以上生きると推定されている。
寿命がない生物「ベニクラゲ」
人間の寿命を超える長寿の動物は数多く知られているが、中には寿命という概念が全く存在しない生物もいる。
世界中の海に生息しているベニクラゲというクラゲは、ある程度歳をとると「ポリプ」という赤ちゃんの状態に戻る若返りを行う生物として知られている。
「不老不死のクラゲ」と称されることもあるが、ベニクラゲは老化はするものの若返りを行うことができるため、寿命がない不死の生物という事になる。
世界一の猛毒クラゲ「キロネックス」
オーストラリアウンバチクラゲ…別名「キロネックス」はあらゆる動物の中でも最強の毒性を持つ生物の一つだ。英名ではシーワプス(海のスズメバチ)と呼ばれ恐れられている。

最長4.5mに達する触手に刺されると最短1分で死亡するとも言われており、1884年以降少なくとも5567人が犠牲になっている。
キロネックスは人間すらも殺してしまう殺人クラゲであるが、アカウミガメだけにはキロネックスの毒が効かず、普通に捕食されてしまうらしい。
最強の毒蛇「ブラックマンバ」
ブラックマンバはコブラの一種でキングコブラに次いで世界で2番目に大きい毒蛇として知られている。全長は4.5mにまで達し、口の中が黒いのが特徴。

非常に強い神経毒をもっており、他の毒蛇と比べてみても毒の量が桁違いに多く、即効性も高い。
世界一怖いもの知らず「ラーテル」
「世界一怖いもの知らずな動物」としてギネスブックにも掲載されたことのあるラーテル。イタチの仲間で、体長40㎝程度の哺乳類だ。

蜂の巣やコブラなどの毒蛇を襲い捕食することで知られており、繁殖期にはより気性が荒くなり、ライオンやスイギュウのような大型生物にも攻撃を仕掛けることもある。
猛毒に対する強い耐性も持っており、大型哺乳類でさえも毒殺してしまうコブラに噛まれたとしても、一時的に動けなくなるだけで、数時間後には何事も無かったかのように動き始めることが出来る。
最強のアリ「サシハリアリ」
サシハリアリは中央アメリカ~南アメリカ大陸に生息する全長30㎜に達する大型のアリ。

サシハリアリに刺された際の痛みは、あらゆる蟻・蜂のなかでも最大であると言われており、刺されると痛みが24時間継続することから『Hormiga Veinticuatro=24時間のアリ』とも呼ばれる。
最強の毒カエル「ヤドクガエル」
ヤドクガエルは南アメリカなどに生息する小型のカエル。派手な警戒色が特徴で、毒を持たない養殖の個体はペットとしての需要も高い。

アルカロイド系の神経毒を保有しており、20μgで成人男性を死に至らしめる。ヤドクガエルの中には皮膚に絶えず毒を分泌している種も存在しており、ヤドクガエルが捕まっていた葉っぱに触れるだけで危険だ。
最強の猛毒ペット「イワスナギンチャク」
鑑賞用のペットとしても人気が高いスナギンチャクの中には、生物界最強とも称される猛毒を持つものも存在する。
ハワイに生息するマウイイワスナギンチャクは青酸カリの約8000~16000倍の毒性を持つと言われる猛毒「パリトキシン」を大量に保有しており、触れたり踏んでしまうと死に至る危険性がある。

過去には鑑賞用として飼育していたイワスナギンチャクのパリトキシンが、水中から空気中に放出され、家の中にいた住人が次々と中毒症状に陥るという事故も発生している。
世界一危険な樹「マンチニール」
一見すると小ぶりの青リンゴのようにも見えるマンチニールの木。アメリカ大陸の海岸沿いなどに自生するマンチニールは、果実や幹、葉に至るまで、樹全体に猛毒を含んでいる。

その毒性は樹木の中でも抜きんでており、この木の下で雨宿りをするだけで全身が炎症を起こし、マンチニールの木を燃やした際の煙が目に入ると失明する危険性もあるという。
世界一の痛い植物「ギンピーギンピー」
オーストラリアの固有種であるギンピーギンピー。その葉にはガラス繊維のような細かい棘が付いており、触れるだけで地獄のような痛みが長年続くと言われる。

過去には、誤ってギンピーギンピーをトイレットペーパー代わりに使ってしまった人が、あまりの痛みから自ら命を絶ったという悲しい事件も発生している。
世界一最凶の生物「人間」
私たち人間という生物は、地球史上、最も凶悪な生物であることは間違いない。

現在、人間の活動によって100万種の動植物が絶滅の危機に瀕しているとの試算結果も報告されており、地球は6度目の大量絶滅期に突入したとも言われている。
現在のペースで大量絶滅が続いてしまえば、今後数百年のうちに動物種の3/4が絶滅して地球上から姿を消すと言われている。