【クジラ】不思議な生態とクジラの種類!イルカとの違いについても解説

現在も、世界各地の海に生息している巨大生物『クジラ』。北極から南極の海まで世界中に生息する、最も繁栄した海洋性哺乳類のひとつです。

今回は、大きな体格と独特な生態をもつ水棲哺乳類クジラの生態や種類、イルカとクジラの違いなど・・・クジラの魅力をたっぷりとお伝えします。

クジラ

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クジラとは?

クジラは世界各国の海中と、一部の淡水域に生息する魚類体系の大型生物です。

見た目や生態が魚のようでありながら、私たち人間と同じ哺乳類であり、独特な進化を遂げた動物ともいえます。

近年では鯨偶蹄目(くじらぐうていもく)というグループに分類されており、現在のカバと共通の祖先を持つ生物と考えられています。魚みたいですが、どちらかといえばカバに近い生き物なのです。

クジラの特徴

クジラは、水中生活を送ることができるように特殊な進化に成功した大型哺乳類です。その生活は魚のようでありながら、私たちと同じ哺乳類としての特徴も色濃く残しています。

ここではクジラの特徴についてみていきましょう。

クジラは人間と同じ哺乳類で授乳も行う

哺乳類の最大の特徴は、子どもに授乳を行うことです。

クジラは海中で生活するため、授乳できないイメージがありますが、水中でも器用に授乳をこなします。

クジラは知能の高い生物と考えられており、種類によっては自らの子どもと行動をともにしながら成長を見守ります。

エラが無く肺呼吸を行う

魚などの水棲生物の多くが、水から酸素を供給するための『エラ』を持っていますが、クジラはエラを持っていないため私たちと同じように肺呼吸を行います。

クジラと同じく海中に棲息する大型の生物と言えば『サメ』が有名ですが、彼らは魚類であるためエラを持っていることが分かります。

水の中を縦横無地に泳ぎ回るクジラであっても、人間が泳ぐ時と同じように水中では息を止めているような状態なのです。

鼻の穴が頭頂部にある

多くの哺乳類は前方から見て顔の中心部に鼻が位置します。頭部の中でも前方に突き出た位置に鼻があるため、匂いを嗅ぎ別けることなどに特化していると考えられます。

しかし、クジラは私たちと同じ哺乳類でありながら、鼻の穴が頭頂部に位置しています。これはクジラが水中生活を送るために進化した結果です。

鼻が頭頂部にあることによって、頭の先を少し水上に出すだけで呼吸ができるようになっています。

四肢がヒレのように変化している

クジラは水掻きのため四肢が魚のヒレのように変化しています。

そもそも、陸上の全ての生物は、元々水中にいた生物達が足を生やすことで上陸したと考えられています。

クジラは太古に海から上陸を果たし、陸上の哺乳類として生活していましたが、再び海に戻った生物なのです。

クジラの祖先と考えられているアンブロケトゥスの復元図

ちなみに魚の尾ビレは縦方向に伸びており体を左右に振って進みますが、クジラの場合は尾ビレが横向きに伸びており尾を上下に振ることで進みます。

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クジラとイルカの違いとは

クジラの特徴を見てきて、イルカと同じ特徴を持っていることに気がついた人も多いかもしれません。

実は、クジラとイルカの間には生物の分類上において明確な違いがあるわけではないのです。

一口にクジラといっても世界各地で80種以上が確認されており、その生態や特徴は様々です。多くの種類がいるクジラたちですが、その中でも生態が似ている種類をまとめて『ハクジラ』と『ヒゲクジラ』という2つのグループに分けられています。

そのハクジラの中でも4m以下程度にしか育たない小型の種類に『イルカ』という名前が付けられているだけなのです。4m以上に成長したらクジラになるってことではありません。

クジラの分類

クジラは生物の分類上『クジラ目』というグループに属していました。

しかし、生物の研究が進んだ結果、ウシやカバなどの陸上生物と近い種類ということがわかり、ウシやカバなどが属している『偶蹄目』と『クジラ目』を統合する形で『鯨偶蹄目くじらぐうていもく』という新しいグループが作られました。

クジラは、そこから『ヒゲクジラ亜目』と『ハクジラ亜目』という2つのグループに分けられます。

ヒゲクジラ

ヒゲクジラは口の中に多くのヒゲを有しているのが特徴的なクジラのグループです。

ヒゲクジラ亜目には、地球上最大の動物であるシロナガスクジラなどの大型の種類が多いのですが、意外にも食べているものはオキアミなどの小さなプランクトンです。

ヒゲクジラの食事方法は、オキアミや小魚などの群れを大きな口で大量の海水と共に吸い込み、食料だけを口の中のヒゲを使って濾し取り、海水を一気に吐き出します。

ハクジラ

ハクジラの最大の特徴として、その名の通り『歯』を持っていることがあげられます。

主な食べ物は魚類で、マッコウクジラのように深海のイカなどを捕食する種類も存在しています。

また、ハクジラに分類されるシャチは、ペンギンやアザラシを捕食する獰猛な動物としても知られていますが、時には自分より大きなクジラやサメなどを襲うこともあるというから驚きです。

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代表的なクジラの種類

クジラは80種以上が確認されており、同じ種類でも生息地域によって生態も異なることがわかってきています。

ここではクジラの代表的な種についてご紹介します。

1.ホッキョククジラ

北極海に生息することから名付けられたホッキョククジラ。ガッチリとした重厚な体を持つ大型のヒゲクジラです。

他のクジラが採餌や繁殖のために海を移動するのとは異なり、一生を北極海と周辺の海域で過ごすことで知られています。

とても硬い頭蓋骨を持っていることも特徴的で、呼吸のために厚い流氷を突き破って浮上する姿も目撃されているそうです。

一説によると、16-17世紀頃に始まった人間による捕鯨の影響で個体数が1/5まで減少し絶滅の危険性が高いとされ、イヌイットなどの一部の先住民族以外の商業的な狩りが禁止されています。

2. シャチ

一見するとクジラにもイルカにも似つかない外観を持ったシャチですが、分類上はクジラ目マイルカ科に属するハクジラ(イルカ)の仲間です。

イルカ科に属しているものの、体長は5mを超え、最大級のものは10m近くまで成長します。

人間を除けば自然界に天敵がおらず、食物連鎖の頂点に立つ獰猛なハンターとしても知られています。

魚やイカなどの魚介類のほか、ペンギンなどの鳥類、アザラシやオタリアなどの哺乳類を捕食し、ときには自身の数倍の体長を持つクジラにも襲いかかります。

3. セミクジラ

日本周辺の海域にも生息が確認されているセミクジラ。ザトウクジラやコククジラなどの多くのクジラよりもはるかに大きいな体を持つ大型のヒゲクジラです。

クジラの中でも特に頭部が大きく、全長の約1/4を占めているのが特徴的です。大きく湾曲した口には2mをも超えるヒゲが大量に生えています。

ちなみに、セミクジラは世界で最も精巣が大きい動物と言われており、片側だけでも約500kg、合わせて約1トンもあります。

セミクジラは、乱獲の影響もあり個体数が少なくなっており、人の前に姿を表すこと自体が珍しいとも言われています。そのため、詳しい生態などの研究が進んでいないクジラのひとつです。

4. マッコウクジラ

Gabriel Barathieu CC表示-継承

北極から南極まで世界各地の海に生息するマッコウクジラ。著しく肥大化した角ばった頭が特徴的な最大級のハクジラです。

他のクジラが200-300m程の潜水に留まるのに対し、マッコウクジラは2000m-3000mもの深海まで急潜水できると言われています。

イカや魚類を主な捕食対象としており、巨大なダイオウイカなどを捕食することでも知られています。

仲間とのコミュニケーションを取ることで知られているクジラの中でも、特に家族同士の絆が深い種であり、子育てを行う姿などが確認されています。

5. イッカク

19世紀頃までは伝説の動物とされていたイッカク。4-5mの体長を持ち、頭部から3mもの長さの牙が突き出たクジラの一種です。

19世紀以前の先進国でも、イヌイットなどのを通じてその形態が伝えられていましたが、あまりに奇妙な姿から伝説の動物(UMA)とされていました。

雄のみが1本(まれに2本)の長い牙を持っており、繁殖期になると複数の雄が集まり、牙をアピールし合うことで争うことがわかってきています。

イッカクが世界的に確認される以前は、イッカクの牙が、伝説の動物である『ユニコーンの角』として取引されていたこともあったそうです。

6. シロナガスクジラ

クジラの中でも最大種であり、地球史上最大の体長を持つ動物と考えられているシロナガスクジラ。

30mを超えることもあるシロナガスクジラですが、その巨体を動かすエネルギー源となる食べ物は、意外にも数cmの小さなプランクトンです。

1日に4トンものオキアミを捕食し、動物の中で最も大きいとされる鳴き声は150km先の仲間にも伝わるといいます。

自然界での天敵はシャチ以外にはいないとされていますが、人間の捕鯨により個体数が激減したため絶滅の危機に瀕しています。

クジラの生態

クジラという動物を知らないという人はあまりいませんが、クジラの生態について詳しい人も少ないでしょう。

ここでは私たちの知らないクジラの生態についてみていきましょう。

クジラは超音波を使う?

クジラはエコーロケーションと呼ばれる超音波を使い周囲の情報を収集していると考えられています。

群れをなして集団で生活する際にはエコーロケーションを使いコミュニケーションを取り合っていると考えられています。

最新の研究では、クジラはレントゲンのように対象物の骨格まで見えているのではないかという説も唱えられています。

歌と言葉

ザトウクジラやシロナガスクジラなど、一部の種は歌を歌うことでも知られています。

『くじらの歌』といっても、純粋に歌唱を楽しんでいるわけではなく、コミュニケーションの一種として発せられる『くじらの声』が、人間の歌のように聞こえるのです。

このクジラの歌(声)には方言があり、同じ種のクジラ同士であっても、生息地域や血筋が遠いとコミュニケーションが取れないこともあるようです。

群れと狩り

クジラの中には、集団で計画的な狩りを行う者も存在します。バブルネットフィーリングと呼ばれるクジラ特有の狩りの方法です。

数頭から数十頭のクジラの群れは、魚の大群を見つけると、周囲を囲い込むように回りながら魚を追い込みます。このとき、口から泡を吐くことで魚の周りに泡の壁を作り、魚を逃げられないようにするのです。

逃げ場を無くした魚たちがクジラたちが作る円の中心部に集まったところで、全員が大きく口を開けて海上に飛び出し魚を一気に捕食します。

このような連携を取ることからもクジラの知性はとても高いと考えられています。


クジラの生態や種類についてご紹介しました。

反捕鯨団体シーシェパードの旗

近年では、日本の捕鯨に対し抗議活動を繰り広げる反捕鯨団体のニュースなどをよく目にします。

国内・国外問わず賛成派と反対派に分かれており簡単には答えが出ない問題ですが、政治的・経済的な問題を議論する前に、私たちはクジラについてもっと知るべきなのかもしれません。

クジラについてはまだまだ未解明な部分も多いため、今後の研究によっては新しい発見があるかもしれません。

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