コモドドラゴン

【コモドドラゴン】毒に単為生殖!人食いオオトカゲがハイスペックすぎる

全長3mを超えることもある巨大なトカゲ「コモドオオトカゲ」。まるで恐竜のような見た目から「コモドドラゴン」の別名で知られている。

過去には人間を襲って食べた事件も発生しているほどの獰猛な肉食のオオトカゲであるが、彼らの生態を詳しく見てみると「ただただ大きく凶暴な人食いトカゲ」という訳ではないようだ。

コモドオオトカゲ
5477687によるPixabay

今回はコモドオオトカゲ(コモドドラゴン)の大きさ・毒性・単体生殖など、ハイスペックな生態について見ていこう!

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コモドドラゴン(コモドオオトカゲ)

コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)は、インドネシアのコモド島と周辺の島々に生息する巨大なトカゲ。トカゲとしては最大級の大きさで最大体重は160Kgを超えることもある。

コモドドラゴン
Ravi MohanによるPixabay

コモド島では食物連鎖の頂点に君臨し、小動物や昆虫のほか、鳥類や大型の哺乳類であっても捕食することで知られている。大人のコモドオオトカゲからみれば人間も例外なく捕食対象となるようで、過去には人間が犠牲になる事故も起きている。

トカゲの中でも特に活動的で一日に10km以上も動き回るほど。しかし、トカゲであることには変わりなく、乾燥した森林地帯や日差しの照り付ける岩場などで日光浴をする姿が確認されている。

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コモドドラゴンの生息地

コモドドラゴンが最も多く生息するのはインドネシアのコモド島という面積390㎢ほどの小さな島。約2500種の陸上生物が生息すると言われており、ダイビングなどのアクティビティで観光客からも人気が高い自然豊かな土地だ。

Cherene SaradarによるPixabay

数多くの動植物を有する島の中で、コモドドラゴンは生態ピラミッドの頂点として君臨している。

直接的な天敵は人間のみであると考えられており、密猟や生息地の破壊が懸念されていたが、1920年頃にはすでに保護の動きが高まっており、1991年にはコモド島と周辺の島がコモド国立公園として世界遺産に登録されたことで、現在では懸命な保護活動が行われている。

コモドドラゴンの大きさ

コモドドラゴンは最大で全長3mを超えるオオトカゲ。アメリカ合衆国にあるセントルイス動物園で飼育されていた個体は全長313㎝という記録を残している。

コモドオオトカゲ
skeezeによるPixabay

最大全長でいえば同じオオトカゲ科の「ハナブトオオトカゲ」の方が大きいとされるが、尾を含めない体長と体重ではコモドオオトカゲの方が大きく、最大体重では166Kgにまで成長したというデータもあるほど。

数万年前までコモドドラゴンの生息域には肩高150㎝ほどのゾウが生息していたことから、ゾウを捕食する為に巨大化していった可能性があると考えられている。

コモドドラゴンの寿命

コモドドラゴンの寿命は「札幌市円山動物園」の情報によるとおよそ50年前後。数あるトカゲの中でもある程度長寿な部類に入るようだ。

コモドドラゴン
Dezidor CC 表示

一方でメスは30年程度が平均寿命で、オスは倍の60年ほど生きるという説も存在するようだが、はっきりとしたデータは確認できなかった。飼育下での寿命と野生での寿命に大きな差があることは間違いないだろう。

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コモドドラゴンの食性

子どものコモドドラゴンは昆虫や小動物などを食べるが、大人になると捕食対象がさらに広がり、イノシシやシカ、牛など自分と同等かそれ以上の大きさの獲物を捕食する。

コモドオオトカゲの狩り
Achmad Ariefiandy CC BY 3.0

時として同種の子どもすら食べてしまうほどの食欲モンスターで、コウモリ、サル、ウミガメなど食べれる物なら生きていようが死んでいようが何でも食べてしまうようだ。

かなりのフードファイターであることも分かっており、一度の食事で自身の体重の80%ほどの量を食べることができる。さらに、変温動物であるコモドドラゴンは一度満腹になれば1か月くらいは何も食べなくても乗り切ることができるのだ。

コモドドラゴンの毒と細菌

長年、コモドドラゴンの口の中には、歯などにこびりついた食べ残しを栄養源とする細菌が無数に存在しており、がぶりと噛み付かれた獲物は傷が浅くとも敗血症によって死に至ると言われていた。

コモドドラゴン
photojimによるPixabay

しかし、近年の研究によると、コモドドラゴンの口内には細菌どころの話ではなく、「ヘモトキシン」という毒が存在することが判明した。へモトキシンはガラガラヘビなども持っている血液毒で、獲物の血液の凝固を阻害し、失血によるショック状態を引き起こす効果がある。

Danadi Sutjianto CC BY-SA 4.0

コモドドラゴンが獲物に噛み付くと、ノコギリ状の歯の間にある複数の毒管から毒液が放出される仕組みだ。一度噛まれた獲物は傷口からの出血が止まらず死に至る事もあるという。

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コモドドラゴンの狩りの方法

コモドドラゴンは自らの持つ毒を利用した効率的な狩りを行う。死肉を漁ることも多いコモドドラゴンは、動物の死骸から最大9.5kmも離れた地点から臭いを察知することができる。

狩りの際には獲物にばれないよう間合いを詰めたのち、喉や身体の下側に噛み付く。一撃で仕留めれなかった場合や獲物に逃げられた場合はどこまでも獲物を追跡する。持ち前の出血毒によって獲物がショック死するのを待つためだ。

ヤギ程度の大きさの獲物であれば15~20分程度で食べてしまうことができる。体内で消化後、吸収できない獲物の毛や歯などを口から嘔吐する。

HOerwin56によるPixabay

ちなみにコモドドラゴンは代謝が遅いため、成長した大きな個体であっても1年に12匹のヤギを仕留めるだけで生き残れるようだ。

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雌のみで単為生殖が可能

コモドドラゴンのメスはオスとの交尾を行わずに繁殖することが可能であるという事も分かっている。

コモドドラゴン
Deepu JosephによるPixabay

通常、5~8月の繁殖期に交尾が行われ、9月に20個程度の卵が産まれる。卵は7〜8ヶ月のあいだ巣穴に保管され、餌となる昆虫が最も豊富にいる4月に孵化する。これが基本的な繁殖の流れだ。

しかし、2006年に発表された内容によると、ロンドンの動物園で飼育されていたコモドドラゴンのメスが、2年以上オスから隔離された状態で11個の卵を産み、そのうち7つの卵が孵化までしたという。しかも、この子供たちが全て男性だったのだ。

コモドオオトカゲ
Bahnfrend CC BY-SA 4.0

もしもコモドドラゴンのメスが何らかの理由で孤島などにたどり着いた場合、単為生殖によってオスを作り出せるため、より多くの子孫を残せるという訳だ。

ちなみに…単為生殖をおこなう生物はそれほど珍しい訳でもない。ただし、これほど大きなトカゲでも単為生殖が確認されたという点では大発見ということになるそうだ。

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