アオミノウミウシ

【アオミノウミウシ】毒々しい!クラゲを食べるウミウシの異様な生態の真実

ウミウシといえば、「海のナメクジ」と言われるように、海底をノソノソと歩いていて、ナマコのようなボテッとした身体を持っている。何となくノロマなイメージだ。

そんなウミウシの中でも、スタイリッシュなフォルムを持ち、一際目立つデザインを見に纏った奴がいる。

今回は、ウミウシ界の異端児『アオミノウミウシ』さんの生態と謎にズームインだ!

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アオミノウミウシとは?

アオミノウミウシとは、【軟体動物門腹足網裸鰓目アオミノウミウシ科】というグループに分類されるれっきとしたウミウシの仲間だ。

1868 – “Glaucilla briareus” by Rudolph Bergh

左右に伸びた人間の手のひらのようなヒレを持ち、美しい青い縞模様入った流線形の身体を持っている。

こんな見た目でありながらクラゲを食べる獰猛な捕食者であり、毒々しいカラーの通り、実際に毒があるため触らない方がいいだろう。

美しくファンタジー感あふれる見た目から、海外ではブルードラゴン、ブルーエンジェル、ブルースワローなどとも呼ばれている。

アオミノウミウシの大きさ


クラゲを食べると聞いて、アオミノウミウシがクラゲを丸呑みにする映像を想像した人は間違い。 アオミノウミウシの身体はとても小さく、成体でも20‐50mmほど。

アオミノウミウシの体長は、彼らの大好物であるギンカクラゲと比べてみても、クラゲの触手1本分にも満たない体長なのだ。

アオミノウミウシの生息地

とても小さい身体なので、海岸の岩場などの波の少ない場所で生活しているのかと思ったが、見当違いだった。

アオミノウミウシは、太平洋やインド洋などの海岸から遠く離れた海で生活する外洋性の生物なのだ。

まれに潮の流れに乗って海岸近くに来ることもあるが、見つけることができたらとてもラッキーだ。日本では南西諸島や小笠原諸島の海岸に現れることもある。

ちなみに、広い海では仲間に会うチャンスも少なく、繁殖の機会が得られないため、彼らの身体は雌雄同体となっている。

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アオミノウミウシの移動手段

アオミノウミウシはウミウシでありながら水中に浮くことができ、自由に泳ぎ回ることができる。消化管の中に空気を入れることで浮袋の役割を果たしているそうだ。

アオミノウミウシ

Taro Taylor

とはいえ、潮の流れの強い外洋でずっと泳いでいては疲れてしまう…。そこでアオミノウミウシは食料でもあるクラゲに掴まることを覚えたらしい。

海中や水面に浮かぶクラゲに掴まり、一緒に流されることで移動するのだ。まさにクラゲをタクシー代わりに使っているのだ。

アオミノウミウシの食性

アオミノウミウシが好んで食べるのが、電気クラゲと呼ばれるカツオノエボシやカツオノカンムリ、ギンカクラゲと言った猛毒を持つクラゲたちだ。

アオミノウミウシの大好物…カツオノエボシ

クラゲに掴まって移動するという、とんでもない事をやってのけるアオミノウミウシだが、お腹が減ったら移動手段として利用しているクラゲにかじり付くというのだ。

上の動画はアオミノウミウシがギンカクラゲを捕食する様子を捉えた貴重な瞬間。自身の数十倍も大きなクラゲにかじり付いているのがわかるだろう。アオミノウミウシは可愛い外見とは裏腹にとんでもない奴だったのだ!

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アオミノウミウシの毒

勝手に掴まれて移動手段とされてきたクラゲにとって、食べられる事は迷惑でしかない。そこで、クラゲたちは唯一の対抗策である猛毒の刺胞でアオミノウミウシを攻撃する。

ギンカクラゲ。彼らの毒もアオミノウミウシに奪われてしまう…。

ギンカクラゲなどの毒は、人間すら殺してしまうほどの猛毒。だが、虚しいことにアオミノウミウシにはクラゲの毒は全く効かないらしい。

そればかりか、クラゲの毒を自らの身体に溜め込むことで自分を守るための毒に変えてしまうのだ。ちなみにこれを『盗刺胞』という。

タクシー代わりにされた上に、食べられてしまい、毒まで盗まれるとは……。さすがにクラゲが不憫で仕方ない。