ユグドラシルにマンドレイクに人食い樹…日本では、ファンタジーゲームや異世界アニメなんかに頻繁に登場する伝説上の架空の植物だ。
ほとんどが神話や宗教の伝承だけど、調べてみると色々とおもしろい逸話や伝承が残っていることも多い。
今回は、ゲームやアニメ、マンガに精通している人ならば、一度は名前を聞いたことがあるであろう伝説の植物達をピックアップだ!
伝説の植物
ユグドラシル(世界樹)
ユグドラシルとは、北欧神話に登場する巨大樹で、世界を体現する巨木とされている。日本語では「世界樹」「宇宙樹」とも呼ばれることもある。

アースガルズ、ミズガルズ、ヨトゥンヘイム、ヘルヘイムなど神話に登場するの九つの世界を繋ぐとされている、なんだかとてつもなく壮大な樹。
映画『アベンジャーズ』や『異世界系のアニメ』『スマホゲーム』などなど、現代においても様々なファンタジーに登場する。
マンドレイク(マンドラゴラ)
マンドレイク(マンドラゴラ)とは、魔術や呪術、錬金術の材料とされ、精力剤や媚薬、不老不死の薬にもなると伝えられる万能な植物。

見た目はニンジンのようだが、根っこが人間の脚のようになっており、ゴブリンのような醜い容姿をしているという。

マンドラゴラを地面から引き抜くと悲鳴をあげるが、この声を聴くと精神に異常をきたすため、「犬の鎖をマンドラゴラの茎につないで引き抜かせると良い」という方法が伝えられている。
人面樹
人面樹は中国に伝わる妖怪の一種で、文字通り樹から人の頭部が生えた姿をしている。

日本の浮世絵師であり、妖怪画を数多く残したことで知られる「鳥山石燕」によって描かれた「江戸時代の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』」に記録が残されている。
喋る木
人間の言葉を話す樹は、東洋西洋を問わず世界各地に伝承が残っている。

未来の予言や警告、人間への助言など神々の言葉の代弁者と伝えられていることが多いようだ。
ヒンズー教、仏教、ユダヤ教、キリスト教など、あらゆる宗教において、木は神聖な力を持つ信仰の対象とされており、生命力の象徴とされてきたようだ。
食人木(マダガスカルの木)
古代の世界で樹が信仰の対象とされてきた一方で、ヨーロッパ人による世界探索が始まった大航海時代以降、恐ろしい食人樹の伝承が各地に伝えられるようになった。

1881年の南オーストラリアの新聞には、ドイツ人の探検家カール・リッヒェによる「マダガスカルにて食人木に生贄を捧げる部族を目撃した」との記事が掲載されている。
この話は後に捏造であったと結論付けられることとなったが、東南アジアのジャングルに初めて足を踏み入れたヨーロッパ人のあいだでは食人木や人食い花の噂が後を絶たなかったようだ。
デビルズタワー
デビルズタワーはアメリカ合衆国ワイオミング州に実在する岩山。高さ386mほどの岩頸(マグマが固まって出来たもの)だ。

岩の見た目が樹の切り株に見えることから、「世界には樹高数千mを超える巨大樹が無数に生えていた」と『世界巨大樹説』を主張する者もいる。
禁断の果実
禁断の果実とは、旧約聖書『創世記』に登場する知恵の樹(善悪の知識の樹)になっている果実のこと。

旧約聖書に記された最初に人間であるアダムとイブは、エデンの園にある禁断の果実だけは食べることを禁止されるが、ヘビにそそのかされたことで口にしてしまう。その結果、アダムとイブは神の怒りを買い、楽園から追放されることになった。
ちなみに禁断の果実をリンゴと思っている人も多いが、実際には旧約聖書にリンゴという記載はない。
不和の林檎
不和の林檎とは、ギリシア神話に登場するトロイア戦争の発端となった果実のこと。

「海の女神テティス」と「英雄ペーレウス」の結婚を祝う宴席に、一人だけ招待されなかった「争いの神エリス」。
怒り狂ったエリスが、女神たちが集う宴席の場に「最も美しい女神へ」と書かれた黄金の林檎を投げ込んだことによって、誰が一番美しいかを争って戦争にまで発展する…というとんでもない話だ。