どんなに最強と言われるような強靭な肉食動物でも、獲物に逃げられ続ければ餓死してしまうだろう。自然界における「スピード」の優劣は、鋭い鉤爪や強靭な腕力にも勝るのだ。
今回は、あまり注目されることの無い世界最速の動物を「空・海・陸」の角ジャンルからピックアップしてみよう!
最速の動物TOP3
陸上最速の動物‐チーター
陸上最速の動物には、サバンナの動物として有名な「チーター」がランクインだ。最高速度は時速100kmを超えると考えられている。
また、チーターが最速といわれるのは最高速度だけの話ではない。獲物が捕らえようと飛び出した場合、完全に停止した状態から約2秒で時速72kmに達することもあるのだ。
1965年にケニアで行われた実験では、201.2mを約7秒で走り抜ける様子が記録されている。これは秒速29mに相当する。人類最速級のアスリートでも秒速10mほどの速度でしか走れないためあっという間に捕まってしまうだろう。
海(水中)最速の動物‐バショウカジキ
水中最速の動物としては、高速遊泳をすることで知られるカジキ類の中でもバショウカジキが最速だ。水中という抵抗の多い状況の中で時速100kmを超えるスピードで泳ぐというのが通説だ。
水の抵抗を弱める流線型のボディはもちろん、ヒレを収納するための溝、全身の後部に集中した強靭な筋肉など身体のすべてがスピードを得るための進化を遂げている。
あまりに速いスピードで泳ぐため船などに衝突することもあり、イギリスの軍艦が浸水した際、原因を調査したところ浸水部にカジキの吻が突き刺さっていたという逸話もあるそうだ。
空最速の動物‐ハヤブサ
空を飛ぶ動物の中で最も早く、地球上の生物の中で最も早く移動できる動物が「ハヤブサ」だ。ギネスブックの公式記録では時速300kmで登録されているが、これまで行われてきた実験の結果、時速380km以上で飛ぶことが可能であるとも言われている。
ちなみにハヤブサが最高速度に達するのは狩りの為に遥か上空から急降下するときだけ。水平飛行におけるハヤブサの飛行スピードは 時速100km前後とも言われており、 水平飛行限定で言うと ハリオアマツバメ やオオグンカンドリがランクインするようだ。
ただし、 陸上生物であるチーターはともかく、鳥や魚のスピード測定はとても難しいらしい。今でも世界最速の動物については諸説ある。 今後、 正確な速度が分かってくることで、このTOP3の記録も「間違っていた」というようなことがあるかもしれないので要注意だ!
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