ボコボコと庭の土を掘り返し、庭の畑や花壇の花を崩壊させてしまうモグラたち…。
ネット上のブログなどでは様々な撃退方法・退治方法がおすすめされていますが、一番効果があるモグラ退治法はどれなのでしょうか。

以外に知られていませんが、一般の人が駆除したり捕獲することは法律違反となる可能性がある可能性もあるのです。
そこで今回は、モグラ退治の基本的な方法と、筆者が実際に実践した様々なモグラ退治の効果、最新のおすすめモグラ撃退グッズを紹介していきます!
モグラとは?
確実にモグラを退治するためには、モグラの習性や生態を把握しておくことが重要です。つまり、戦で勝つには敵を知ること!
そもそもモグラとは『トガリネズミ形目』と言うグループに属するネズミの仲間。ヨーロッパ、アジア、北米などの北半球に広く生息する生物で、南半球にはいないと考えられています。

本来は森林や草原の地中で単独生活を送りながら、土中で見つけた昆虫やミミズなどを食べて生活しています。年に一度2~7匹の子供を産み、寿命は5年程度と考えられているようです。
土の中で生活することから目(視覚)が退化していて、光を感じる程度の視力しか持っていません。
一方で、視力の弱さをカバーするために「嗅覚・聴覚・鼻先の触覚」が発達しています。つまり、これらの器官を刺激することでモグラを追い出すことが可能だという事になります。
ちなみに、「土から出て太陽に当たると死ぬ」なんて噂もありますが、あれは嘘。トンネルを掘り起こしたところでモグラはノーダメージです。
モグラは害獣?モグラが及ぼす被害
害獣と言われるモグラですが、モグラはミミズなどを食べる肉食性の動物であるため、野菜などの作物や園芸の花を直接食べてしまう事はありません。
しかし、モグラがトンネルを掘って進む際に土を掘り返してしまう事で、畑を掘り返し作物が傷んだり、花壇が崩壊したり、綺麗に整えた芝生が掘り返されたりと被害へと繋がることが多いのです。

また、モグラが掘ったトンネルはネズミたちにとって都合のいい通路。人間にばれることなく畑の作物や家の中へと辿り着くことが出来るのです。
ご存知の通り、ネズミは作物を食べてしまうので、モグラからの被害が少なかったとしてもモグラ対策は必須。また、ネズミ対策を行いたい場合も、ネズミの侵入経路であるモグラを追い出す必要があります。

モグラ自体は人間に直接「害」を及ぼすわけではありませんが、モグラがそこにいることで間接的に迷惑をこうむってしまいます。逆にいえば、モグラを庭や畑から追い出すだけで被害が無くなる可能性が高いのです。
モグラを捕獲・殺すのは法律違反?
ネット上では、モグラを捕獲することは「鳥獣保護法の例外」と簡単に紹介されていることも多いですが厳密にいうとこれは間違い。
原則としてモグラ全種類を含めた、鳥類・哺乳類に属する全ての野生動物※が「鳥獣保護法」の保護対象になっており、最悪の場合「懲役1年以下又は100万円以下の罰金」が課せられる可能性もあるのです。
※「ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ」の3種のネズミは「環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣」として保護の対象外であることが明記されている。
鳥獣保護管理法の概要 環境省

モグラの捕獲に関しては、鳥獣保護法第十三条で林業や農業で生活する人たちのための例外が設けられていますが、園芸や芝生をモグラ被害から守るために捕獲していいという文章はどこにも見当たりません。
モグラを仕留めたところで、時間がたてば別の場所で繁殖した個体がやってくる可能性もあり、根本的な解決にはなりません。なにより、モグラが可哀そうですし、モグラの死体を処理するのも良い気分はしません。
このように様々な点から見ても、農家以外の方々は罠などを使った捕獲ではなく「追い出す方法」をとった方がベストでしょう。
オススメしないモグラ退治法
まずはモグラ撃退に効果が「ある・ない」は一旦置いといて、筆者が絶対におすすめしないモグラ退治方法を理由を添えて紹介します。
ヒガンバナ
「ヒガンバナは根に毒を含んでいるためモグラが近寄らない。」と言い伝えられており、田んぼの畦道などに咲いているヒガンバナは昔の人が人為的に植えたものだそう。

しかし、実際にはモグラのエサであるミミズがヒガンバナ周辺を嫌う事から、モグラも少なくなるという理由があるそうです。どちらにせよ、最悪の場合、死に至るほどの有毒植物を庭や畑の近くに植えることは危険極まりないのでやめておいた方が良いです。
駆除式
前述したようにモグラを故意に駆除することは原則として法律違反になるので絶対にNG。死んだモグラを片づける必要もありますし、野生動物保護の観点からも辞めておくべきです。
法律上、駆除が許されている農業関係者の方であっても、モグラを駆除器で捕まえるにはモグラの通る本道を正確に見極める必要があるので難しいと言われています。
捕獲式
モグラの身体を傷付けることなく捕獲できる筒状のモグラ捕獲器もありますが、こちらも本道に正確に設置する必要あり。モグラは人の臭いを察知するため捕獲器を避けてしまう事も。
また、モグラは12時間ほど食事を摂らないと餓死してしまいますので、現実的に生きたまま捕獲して逃がしてやることは難しいです。
タバコ
「タバコの葉やタバコの吸い殻を地面に埋めることでモグラが来なくなる。」という話もあります。

効果の真偽が分からないばかりか煙草には有害物質が多く含まれているため辞めておいた方が良いかと思います。
薬剤(ナフタリン等)
モグラ用の薬剤の多くは多少なりとも有毒なものが多く、使用方法を間違えると危険性も高くなります。
防虫剤などに使われる虫よけ材「ナフタリン」を使ったモグラ撃退グッズもありますが、万が一誤飲してしまうと非常に危険なため、ペットやお子さんのいる家庭、野菜など育てる畑では絶対に避けるべき。
筆者の場合は薬剤焼けを起こして育てていた植物が全滅してしまったので、できれば薬剤関係は使わない方向がベストです。
効果が無かったモグラ退治
ここからは、筆者が実際に試してみたものの効果が無かったモグラ退治方法です。絶対に効果がないとは言えないですし、そこまで費用が掛かる方法でもないため、試してみるのもアリかもしれません。
風船ガム
噛んだオレンジ味などの風船ガムをモグラに食べさせることで退治できるとの噂を聞いたのでやってみました。
→食べる気配も無く失敗でした。(アリが大量発生した)
後で知ったのですが、モグラがガムを食べると腸で詰まって死んでしまうそうです。直接手を汚してはいないと言え、法律違反なのでやめておきましょう。
ペットボトル風車
地中に深く差した棒にペットボトルで作った風車を挿し、風車が回る音でモグラを驚かして追い払う作戦。約2m感覚で6本挿しました。
→3日ほどはモグラ被害が無かったのですが、4日目には風車のスグ近くにモグラ塚を作っていました。鳴り続ける音には慣れてしまうようです。挿す位置を工夫すれば追い出すことはできるかもしれません。ただ、庭や花壇周辺にはかなり見栄えが悪い。
犬のふん
モグラ塚を少し掘り起こし愛犬のウンチを投入。

→匂いでモグラを追い出す作戦でしたが全く効果なしでした。
穴から水注入
モグラのトンネルに水を流し込むことでトンネル内をベチャベチャの不快な状態にして追い出す作戦。

→投入口はびちゃびちゃになりますが、トンネル全体を水浸しにすることなんて不可能でした。数日後には穴を掘りなおされてしまいました。
唐辛子
唐辛子を土に埋めて強い刺激でモグラを嫌がらせる作戦。→数日はモグラがいない気もしましたが、結局戻ってきました。
しかも、唐辛子の芽のような物がポツポツ生えました。

また、畑の周辺などに唐辛子を埋めてしまうと辛さが他の野菜に移ることもあるので注意が必要です。
ローズマリー

モグラはローズマリーの匂いが苦手とのことで庭にローズマリーを植える。→大繁殖して使い切れません。モグラにも効果なしだったようです。
正露丸
正露丸の臭いでモグラを追い出す作戦。すべてのモグラ塚を掘り起こし5粒ずつくらい土に入れました。
→たまたまなのか、しばらく被害なしでしたが、雨が降った数日後には戻ってきたようです。
ネギ&ニンニク
ネギとニンニクをみじん切りにして穴へ投入。臭いで追い出す作戦です。→全く効果なしでした。
木酢液
ホームセンターで買ってきた木酢液をトンネル周辺にまんべんなくドバドバとかけました。
→全く効果が無いのか、逆に逃げようとして暴れたのか、次の日にはモグラ塚が増えていました。
爆竹
モグラのトンネルに爆竹を押し込んで爆発させ、音でモグラを追い払う作戦です、→数日いなくなりましたが、やはり戻ってきました。
モグラ退治が失敗する理由
モグラ退治が失敗する原因の多くは、適切な場所で適切な撃退方法を行わなかったパターンが多いようです。ここでは、モグラ退治が失敗する理由を見ていきましょう。
モグラの巣の構造
モグラはただ闇雲にトンネルを掘るだけではありません。モグラの巣には「エサ狩り場・エサの貯蔵庫・水飲み場」など様々な役割を持った場所があり、各部屋を行き来する為の本道(本管)と呼ばれる通路があります。

モグラは12時間何も食べなければ餓死してしまうほどの大食い。そのためモグラは常に餌を探し続けており、1日に何度も本道を行き来して餌を探すのです。一方、各部屋への脇道である支道(支管)は、ほとんど通らなかったり、一度きりしか使わなかったりと使用頻度は高くありません。
確実にモグラを追い出すためには、モグラが使わざるを得ない『本道』へ仕掛けを与えてやる必要があります。多くの場合、巣の形状を確認しないまま撃退器などを設置したためにモグラを追い出すどころか、庭や畑の中を暴れまわらせただけ…というパターンになっているようです。
モグラ塚と本道の見分け方
確実にモグラを追い出すためには、モグラの巣の形状を見抜く必要があります。それにはモグラ塚と本道を見つけてあげましょう。
モグラ塚とは、モグラがトンネルを掘り起こした際、掻き出した土を地表へと押し上げて排出した跡。地面から土が盛りあがって見えるため、簡単に見つけることが出来ます。モグラ塚の周辺を観察すると、地面が少し膨らんでいたりヒビが入っていることがあります。その下にトンネルがあります。

トンネルを見つけることが出来たら、トンネルを土で埋め、平らにならしましょう。埋めたトンネルが再び掘り起こされるようであれば、モグラが頻繁に通る本道であることが確認できます。本道は畑の境目や石など雨をしのげる物の下にあることが多いようです。
ちなみに、モグラは単独行動を行うため、基本的には1つの巣に1匹しかいません。1匹追い出すことに成功するだけなので、間違いのない退治方法を実施すれば、簡単に撃退できます。
効果アリ!唯一成功したモグラ退治方法
モグラ退治は防御が肝心
数あるモグラ退治方法を試してきて気が付いたのは、一度モグラを追う払うことが出来ても、しばらくすれば戻ってくるという事。つまり、追い払うこと自体は簡単なのです。

追い払うことが出来てしまえば、あとはモグラが戻ってこれないようにするだけ。巨大な畑であれば難しい方法ですが、家庭菜園レベルの畑や花壇、庭などであれば進入経路を塞ぐだけなので簡単に対処できます。
おすすめのモグラ撃退グッズ
筆者がモグラ退治に成功した組み合わせは「超音波発生器+モグラ進入防止柵」で庭を防御するという方法でした。
一旦、臭いや音、煙玉などを使ってモグラを追い出し、モグラが戻ってこないように庭や花壇を防御するという訳です。これを実践したことで、数年間悩まされていたモグラ被害から解放されました。
こちらの超音波発生器を4本分購入し、本道と思われるモグラ塚近くに4本とも設置。2日間ほど待ってから、モグラストッパーなるものを地中に埋めて進入を防止しました。
侵入防止柵に関しては、高さが25㎝しかなく少々不安です。筆者の庭の土はかなり硬かったためこれで防止できましたが、柵の下をモグラが掘ってきそうな場所であれば金網のような物を深くまで埋めた方がコスパも良いような気がします。
超音波撃退器は効果ない場合も多いらしい…
筆者の場合は超音波撃退器がかなり効いたのですが、ネット上では効果が無かったというレビューも目立ちます。モグラや環境によって効果に差があるようです。
そこで、超音波撃退の効果を最大限に発揮するポイントをまとめました。
- 設置場所は本道周辺にまとめる。
- モグラが逃げていく方向には設置しない。
- モグラがいなくなった後も設置し続ける。
- モグラ追い出しに成功したら、侵入防止エリアに設置する。
あと、海外製のものもあるようで故障品も多いようです。筆者の使用していた物も4本のうち1本は1か月で故障…。
あらかじめ返品の可否などをショップに確認するのもおすすめです。