【ホウネンエビとは】飼育キットで有名!エサや寿命など生態まとめ!

日本の水田にはメダカやどじょうをはじめ、多種多様な生物が生息している。その中の一つが「ホウネンエビ」と呼ばれる生物だ。

©Hans Hillewaert CC BY-SA 4.0

乾燥した卵を水に入れておくだけで孵化する「ホウネンエビ飼育キット」で知っている方も多いだろう。

今回は、ホウネンエビのエサや寿命などの生態、似ている生物カブトエビとの違いについて説明しよう!

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ホウネンエビとは?

ホウネンエビとは水田などに生息する小型の甲殻類。体長は15-20mmほどのエビのような見た目をしている。

腹部を上に向けた仰向けの姿勢で水面近くをユラユラと泳いでいるが、身の危険を感じた際には弾けるように移動する”まさにエビらしい”動きを見せる。

日本の水田などでは、初夏の気温が18度以上になることに発生し、梅雨が始まったころには姿を見せなくなる。

ホウネンエビの名前の由来と別名

水田にホウネンエビが多く発生すると豊作の年になるという言い伝えが名前の由来となり「豊年蝦」と名付けられている。

yeon woo leeによるPixabay

その他にも尾が赤みを帯びていることから「田金魚=タキンギョ」、子供向けの プランクトン 飼育キットで使用されていた愛称「おばけエビ」の名前が浸透している。

また、兵庫県をはじめとする一部地方では「メロンスイスイ、レモンスイスイ、イチゴスイスイ、エビフライ」といった愛称で子供たちから親しまれているようだ。

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ホウネンエビの生息地

ホウネンエビの生息地は関東地方以西から九州の全域。太平洋側では茨城県、中部地方では長野県、日本海側では石川県が生息域の北限という説もあるようだ。

Santa3によるPixabay

繁殖可能な条件として「孵化する4月頃の水温が18度以上になる地域」に限定されており、寒い地域では中々お目にかかれない。

近年では農薬の使用や周囲の環境の変化、生息地となる水田の減少などにより、生息数自体が減ってきていると考えられている。

ホウネンエビの寿命と一生

ホウネンエビの寿命はおよそ40日ほど。約1ヶ月半という短いスパンで成長から産卵までのサイクルを繰り返す。

動画では卵を抱えたホウネンエビが確認できる。

冬の間、土の中で乾燥していたホウネンエビの卵は、水田に水が張られ気温が暖かくなると一斉に孵化する。1mm程度の小さな幼生は脱皮を繰り返し、細長い成体の姿へと成長していく。

繁殖期にはオスは触覚を使ってメスの後方に連結し、卵を水底にばらまくように産卵する。オスとメスは交尾が終わった後もしばらく繋がったまま生活し、産卵を終えた後に死んでいく。

ホウネンエビのエサ

ホウネンエビの主食は植物性プランクトンなどが混じった水中の有機物。脚(鰓脚)をパタパタと動かす事で水流を生み出し、水の中の浮遊物を口元まで運んで食べる。

飼育下においてはグリーンウォーターと言われる藻類や植物性プランクトンが発生した水をエサとするほか、メダカの餌など人工餌をすりつぶしたものを与える事もあるようだ。

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ホウネンエビの卵

卵はとても乾燥に強いため水を張らなくなった水田の土の中で冬を越すことができ、翌年の水田に水が張られたタイミングで孵化することができる。

【貴重映像】ホウネンエビの産卵

一度乾燥した卵は単に水をかければ孵化するといった単純なものではなく、温度・水分・光などの様々な要因が重なった結果孵化に成功する事が分かっている。

逆に言えば条件さえ整ってしまえば孵化してしまうため、すぐに干上がってしまうような雨上がりの水たまりなどにホウネンエビが発生してしまう事も多いようだ。

ホウネンエビとカブトエビとの違い

同じく水田に生息する事で知られる生物にカブトエビという甲殻類がいる。ホウネンエビとカブトエビはどことなく似ているようにも感じるが、実際には異なる生物だ。

Rise0011 CC 表示-継承 3.0

カブトエビは水田の雑草を食べてくれるなど人間に対して有益な生物とされるが、ホウネンエビは直接的には有益でもなく、人間や作物に害を与えることもない。

ホウネンエビの仲間
PublicDomain

本来であれば特に注目されることのない生物にも思えるが、水田を泳ぐホウネンエビの姿が人々の興味を引いたためか、江戸時代には観賞用に販売されていたこともあるようだ。

現在ではカブトエビやホウネンエビの乾燥に強い卵を利用した、孵化や成長を観察できる飼育キットが販売されている。

ホウネンエビ飼育キットが人気

ホウネンエビは別名「おばけえび」ともよばれている。この「おばけえび」という愛称は元々「 孵化から成長を観察できる飼育キット 」から子供たちの間に浸透し広まったようだ。

ただし商品名に「おばけエビ」が使われている「おばけえび飼育観察キット」という商品で実際に育てるのは「アルテミアというプランクトン」。どことなく似ているものの、ホウネンエビではない。

夏休みの自由研究に最適

ホウネンエビの寿命は初夏から40日程度ということもあり、子どもたちの夏休み期間とぴったりマッチ。そんな事情もあって、夏休みの自由研究の素材として人気なのだそう。

大人への人気も!

昔は子どもの玩具的な要素の強かった観察キットだが、近年では大人の趣味としての人気も高くなっている。

飼育キットの簡易的な設備で孵化させた後、本格的な水槽での飼育に挑戦する人もいるほど。過去には有名YouTuberにも紹介されたことで、一時は品切れが起こった店舗もあったようだ。

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とはいえ、ホウネンエビは生き物…

一時的に人気を博した「ホウネンエビ」だったが、飼育キットの販売店へとクレームが相次いだとの情報も…。

水に入れれば簡単に孵化すると言われているホウネンエビの卵だったが、どれだけ待っても孵化しないという目にあった人が多かったようだ。

ホウネンエビは生き物。室内の気温や飼育環境によっては上手く育ってくれないことも多いのかもしれない。