恐竜を絶滅させた巨大隕石。落下後に起きた10のこと!大量絶滅はこうして起きた!

今から6600万年前。直径10-20km程もある巨大な小惑星が地球に衝突しました。

この隕石が『白亜紀末の大量絶滅』を引き起こす原因と考えられています。

この衝突によって、地球上で最も繁栄を極めた恐竜さん達の時代は、わずか数日で終わりを迎えることとなりました。

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この『隕石の落下』が恐竜絶滅の引き金となった事は有名なのですが、その時『地球に何が起きたのか?』ついてはほとんど語られることはありません。

そこで今回は恐竜を絶滅させることとなった小惑星の衝突後、地球に起きた10の出来事を振り返っていきましょう。

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巨大隕石の落下

小惑星の衝突・・・そのとき何が起きたのか?

これまで、地球には数え切れないほどの隕石が落下してきました。

小さな石ころ程度の隕石であれば、大気圏に突入すると同時に大気との摩擦によって燃え尽きてしまいます。私たちは地球の大気に守られているのです。

しかし、隕石があまりに巨大だと燃え尽きることなく地表に届いてしまうこともあります。白亜紀末に地球に落下した小惑星もあまりに巨大なものでした。

1.小惑星が地球に落下

今から約6600万年前、地球が今よりも暖かく湿潤な気候だった頃。地球上には多種多様な生物たちが過ごしていました。

地上を巨大な恐竜が我が物顔で歩き回り、海ではアンモナイトや首長竜が泳ぎ回っています。今のサイズからは考えられないほど巨大な昆虫もたくさん存在していました。

きっと彼らは弱肉強食の世界で毎日を懸命に生きていたのでしょう。

しかし、そんな日常に突如として終わりが告げられます。

突然、空から巨大な小惑星が現れたのです!

地球に向かって飛んできた小惑星は、現在のメキシコにあるユカタン半島めがけて、秒速20kmという凄まじい速度で突っ込んで来ました。

衝突の際の衝撃によって地表は数kmもえぐり取られ、直径約160Kmのクレーターを作り出したのです。

このクレーターは『チクシュルーブ・クレーター』と呼ばれ、現在でもその姿を確認することができます。

ちなみに、このクレーターが発見されたは1970年代のこと。6500万年前から存在するのにも関わらず、近年まで見つけられなかったのだから驚きですね。

このクレーターが見つかったことにより、恐竜絶滅の原因は『隕石である』と裏付けられました。

実は、現在では確定的とされている『隕石落下説』が注目されたのは1980年代以降のことなのです。

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2.半径1000km以内の生物は即死

「隕石と言っても、所詮はデカイ岩の塊が落ちてきただけだろう。」なんて思う人もいるかもしれません。かつてはワニオもそう思っていました。

地球の直径は約12700km。そこにたった15km程度の岩がぶつかった所で何てことなさそうです。

しかし、様々な情報を調べてみると、小惑星が落下によって地球に持ち込んだエネルギーは想像を絶するものだったようです。

一説によると『小惑星による爆発の推定は、TNT火薬100兆トン分を超える破壊力』だったそう。

かつて、広島に落とされた原子爆弾(リトルボーイ)は、TNT火薬1万5000トン相当と言われているので、この隕石によって起こった爆発の威力は計りしれません。

TNT換算とは?
※TNT換算とは、爆発の威力を『トリニトロトルエン(TNT)』という物質の質量に換算して表す方法。爆発する物質は様々だが、TNTの量へと換算することによって性質の違う爆弾でも威力を比べることができる。

この爆発によって、半径1000km以内にいた生物は一瞬のうちに燃え尽き、灰になったと考えられています。

半径1000kmというと、東京を中心とした場合には鹿児島の種子島まで入ってしまうほどの大きさ。つまり、この隕石が東京に落下したとすると、日本の大半が消滅してしまうというのです。

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3.隕石が見えた範囲は炎に包まれた

では、この隕石が東京に落ちたと仮定して、種子島より南の沖縄まで逃げれば助かるのでしょうか?

誰も現場に居合わせたことがないため確認することはできませんが、たとえ落下地点から1000km以上離れていたとしても助かる見込みは無かったようです。

惑星科学講師であるガレス・コリンズ氏は「小惑星の衝突を目撃できる場所にいたなら、やはり死は免れなかっただろう。」と語っています。

真っ赤な炎に包まれながら猛スピードて落下してくる小惑星は、遠く離れた地点からもよく見えたことでしょう。

恐竜達の中には、空から落ちてくる眩しい光に気がついて、「何事か!?」と見上げていた者もいたかもしれません。きっと、落下の瞬間は何事も無かったように感じるでしょう。

しかし、その数秒〜数分後には強烈な熱波が襲いかかるのです。

一瞬にして周囲を炎に囲まれ、あたり一面は火の海となります。熱放射によって草木は自然発火し、動物達は全身にひどい火傷を負いました。

4.熱波の後、巨大な津波が押し寄せる

「火災の際に必要なものは何?」この質問には色々な答えがありますが、『水』と答えるのはどうでしょうか。

消火もできるし、喉も潤う。きっと火災が起きた際には、目の前の『水』に感謝してもしきれないでしょう。

しかし、6500万年前のこの日は別でした。

隕石による熱放射は多くの生物を焼き払いましたが、耐え抜くことに成功したタフな動物達もいたかもしれません。

しかし、そんな彼らに与えられた『水』は、あまりに多過ぎたのです。

隕石によって発生した強烈な熱波。それを追いかけるように押し寄せてきたのは『巨大な津波』でした。

世界的に有名な地球物理学者である松井孝典教授の計算によると、この津波の高さは少なくとも300mにも及んだといいます。

300mといえば東京タワーの展望台よりも高い。タワーのほとんどが水に浸かってしまうレベルです。

さらに、松井教授は「津波は浅い海では高さを増すことから、地形によっては1000mを超える津波に包まれた地域もあったはずだ」と予想しています。

つまり、強烈な熱波を生き残ったとしても、そこそこの高い山に登っておかなければ溺れてしまうことになるのです。

この日、世界各地を襲った巨大津波は、多くの植物を押しつぶし多くの動物を飲み込みました。

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5.マグニチュード10.1の地震が起きる

熱放射からの巨大な津波。強烈な熱と大量の水という度重なる災難によって、多くの生物が死滅しました。

しかし、古代の生物たちを襲った災難はこれで終わりでありません。

巨大津波が引く間も無く、生き延びた生物を襲ったのは、私たち人類が未だかつて経験したことのない規模の巨大地震。

少なくとも『マグニチュード10.1』に達したと考えられる地震は、揺れるなどというレベルでは無かったでしょう。

「これほどの規模の地震は、たとえて言うなら、過去160年間に世界で起きたすべての地震が同時に発生するようなもの」
そう語るのは、米コロラド州立大学の地震学者リック・アスター氏。

ちなみに、マグニチュードは値が『1』大きくなるだけで地震が持つエネルギーが31.6倍になります。

また、マグニチュードが『1』上がるごとに地震によってできる断層の面積がおよそ10倍になるそう。

これは例え話の一種ですが、仮にマグニチュード12の地震が起きたとすると長さ1万kmの断層が動くことになります。地球の直径は約1万3000kmなので、理論上は「地球が真っ二つに割れる」ということになるのです。恐ろしい。

※マグニチュードに関しては様々な定義があるので、この限りではない。

隕石がもたらした大地震は、地球を真っ二つにこそしなかったものの、大規模な地殻変動をもたらしたと考えられています。

6.割れた大地からマグマが噴出。熱い砂と灰で覆われる

地震と火山の噴火に関係性があることは周知の事実ですが、この日発生した巨大地震が引き起こしたのは、火山噴火なんて生易しいものではありませんでした。

マグニチュード10.1の地震は、地殻を引き裂き、その下にあるマグマを噴出させたのです。

溢れ出るマグマによって、大地は燃えたぎる砂と飛び散る灰に覆われます。

地球の半径6378.1kmに対して、私たちが立っている地殻は厚くても100km程しかないそう。強烈な地震を受ければ卵の殻のように簡単に割れてしまうでしょう。

7.時速965kmの風が吹きつけ、轟音に包まれる

小惑星の衝突地点から半径1000kmの範囲は火の海と化していた。もしも奇跡的に生き残っていた生物がいたとしても、逃げ場はなかったでしょう。

そんな環境の中、次に襲いかかるのは時速965kmにも達する強烈な風

ジャンボ旅客機が飛ぶスピードが時速800-900km程らしいので、この風は飛行機が突っ込んできたくらいの威力というわけです。動物たちや木々はもちろん。巨大な岩も軽々と吹き飛ばされたと考えられています。

少し遅れて、ジェット機が通り過ぎるような爆発音が追いかけてきます。あまりにも凄まじい威力だったため、小惑星衝突の音よりも先に爆風が到達したのです。

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8.巻き上げられた岩屑が大地に降り注ぐ

爆風の影響を直接受けなかった遠い場所でも、地球に異変が起こったことはすぐにわかったことでしょう。

小惑星の衝突によって大気圏の外にまで巻き上げられた岩屑は太陽の光を遮り、あたり一面が薄暗くなってきます。その後、地球の重力によって引き寄せられた岩屑が流星のように地球に降り注ぎました。

普通の隕石であれば、大気圏に向かって猛スピードで突入してくるため、一瞬の光とともに消えてしまう。しかし、大気圏にゆっくりと突入してきた大量の岩屑の場合、すぐに燃え尽きることはなく、いつまでも空に留まりながら真っ赤に輝き続けます。

きっと、どこまでも続く真っ赤な夕焼け空のように見えたはず。

9.巻き上げられた灰が地球を包み込む

空を赤く輝かせていた岩屑が燃え尽きると、本格的な暗さがやってきました。岩屑とともに巻き上げられた灰が太陽の光を遮っているからです。

ほとんど真っ暗な状態から始まり、徐々に明るくなっていったと考えられていますが、空が明るさを取り戻すまでにどのくらいの時間が必要だったのかはわかっていません。

数週間から数カ月、あるいは数年間に渡って、どんよりとした曇り空が続きました。

光が届かないことで光合成ができなくなった植物たちは次々と枯れ、大量の灰が溶け込んだ酸性の雨が地表に降り注いだことも生物に大きな影響を及ぼしました。

はじめに植物を食べる草食動物たちには飢餓が訪れます。そして、草食動物たちが姿を消すと、彼らを捕食してきた肉食動物も次々と餓死していきました。

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10.氷河期と温暖化のダブルコンボ

大量絶滅というと、隕石の衝突から数日の間に起きた出来事だと思われがちですが、実際には数ヶ月から数年という長い時間をかけて多くの生物が絶滅していったそうです。

太陽の光が地表に届かなくなると徐々に気温が下がってきます。小惑星の衝突後、地球は瞬く間に氷河期へと突入しました。

容易に想像できる通り、気温が下がったことで大量絶滅は更に加速します。凍った大地での生き残る術を持たない生物は抗う間も無く死んでいきました。

そして数ヶ月から数年後ー。

光を遮っていた灰が無くなり始めます。長い冬が終わり、一安心できるかと思われましたが、今度は急激な温暖化に見舞われることとなります。

小惑星の衝突によって、大気中に大量の温室効果ガスが巻き上げられていたのです。

氷河期を耐え抜けたとしても、この急激な温暖化を耐えれなかった者は生き残ることが出来ませんでした。

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生き残ったご先祖様に感謝!

度重なる災難に見舞われた当時の生物たち。

数年-数百年という短い期間のうちに、多くの種が途絶えることとなりました。

しかし、全ての生物が絶滅した訳ではありませんでした。

小惑星落下後の氷河期からの温暖化という嫌がらせのようなハメ技攻撃を耐え抜いた生物たち。

彼らは現在の地球に存在する生き物たちのご先祖様という訳です。

もちろん、この後人間に進化していく生物もこんな環境を耐え抜いたことになります。そう考えてみると、多少嫌な環境くらいなら乗り越えれる気がしますよね。

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