【メガネウラ】大きさ70㎝超!太古の巨大トンボの謎の生態と絶滅の謎!

子どもたちにも人気の高い身近な昆虫『トンボ』。日本最大のトンボとして知られる『オニヤンマ』は大きさ8㎝にも達し、世界最大種である『テイオウムカシヤンマ』は全長16㎝を超えることもある。

Adina VoicuによるPixabay

しかし、これでもまだまだ小さい方。今から約3億年前には、大きさ70㎝に達する身体を持つ巨大トンボ『メガネウラ』が存在していたのだ。

今回は、古代の巨大トンボ『メガネウラ』の特徴や食べ物、どんな生活を送っていのか?という疑問について、イラストとともにチェックしていこう。

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メガネウラ

メガネウラとは?

メガネウラは今から約2億9000万年前の石炭紀末期に存在した原始的なトンボ。別名『ゴキブリトンボ』とも呼ばれることもある。

Didier Descouens CC 表示-継承 4.0

メガネウラの名前の由来は、古代ギリシャ語で「巨大な翅脈(しみゃく)を持つもの」を意味する。その名の通り、メガネウラは現生の生物から古生物を含めた全生物の中で、「史上最大の昆虫」であり、「史上最大の飛翔できる節足動物」として知られている。

メガネウラ
GermanOle CC 表示-継承 3.0

見た目は現在のトンボにもよく似ているが、翅や翅脈は原始的な構造になっていることや、生殖器官が尾の先端に付いていることなどが異なる。

飛行能力についてはあまり高くなかったことが判明しており、現在のトンボのように、空中で静止するホバリング飛行や複雑な飛行はできず、翅を羽ばたかせながら滑空飛行していたと考えられている。

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メガネウラの大きさ

現生最大のトンボである『テイオウムカシヤンマ』の体長が16㎝程度であるのに対し、メガネウラの中でも最大種である『メガネウラ・アメリカーナ』は翼開長70㎝前後に達していた。

日本最大のトンボオニヤンマ
画像は日本最大のトンボ『オニヤンマ』
Alpsdake CC 表示-継承 3.0

もちろん、全てのメガネウラが大きかったという訳ではなく、小さいものだ翼長10㎝程度と現生のトンボとさほど変わらない種類も存在していた。

メガネウラの大きさ
PublicDomain

これほどまでに昆虫が巨大化した原因については諸説あるが、『酸素濃度が現在よりも高値だったことが昆虫の巨大化を促した』という説が有力視されている。当時はシダ植物が大繁殖していた時代であり、大気中の酸素濃度が35%と高かったという試算もあるほど(現在の酸素濃度は20%程度)。

その他にも、昆虫を捕食する脊椎動物が少なかったため自由に巨大化できたとする説や、地球の気温が現在よりも高かったことが巨大生物を生み出したという説などもある。

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メガネウラの生息した時代

メガネウラが生息していたのは、今から3億5920万年前~2億9900万年前の時期に当たる石炭紀という時代。1年を通して季節の変化があまりなく、湿潤な熱帯気候。樹高数十mに達するシダ類が大森林を形成していた。

Susanne Jutzeler, suju-fotoによるPixabay

メガネウラの生息時期について、かつては石炭紀の次時代にあたるペルム紀初期に絶滅したと考えられていたが、2009年にペルム紀末期の地層からメガネウラの化石が発掘されたことにより、メガネウラの仲間は恐竜が繁栄していたジュラ紀初期まで生き残っていた可能性もあるという。

アースロプレウラ
Tim Bertelink CC BY-SA 4.0

『メガネウラ』のほかにも、2メートルを超えるようなヤスデの仲間『アースロプレウラ』など、巨大昆虫が多く生息していたことが分かっている。石炭紀といえば、陸上では昆虫類が繁栄し、私たち『ヒト』の祖先である両生類が陸上生活に適応し有羊膜類が出現した時代。巨大昆虫たちが陸上へと進出しようとしている両生類たちの貴重なタンパク源になったと考えられている。

当時、空中を支配する生物は、メガネウラをはじめとする一部の昆虫類のみだった。メガネウラは、飛行できる最大の生物として、空中という生活圏を支配していたのだ。

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メガネウラの食べ物

メガネウラは捕食性の肉食昆虫。自分より小型の昆虫類や、石炭紀に出現した初期の爬虫類などを捕食していたと考えられている。

現在のトンボは、「蚊、ハエ、チョウ、ガ、他のトンボ」などを空中で捕食する。獲物を捕まえる際には太い毛の付いた6本脚でがっちりと鷲掴みにし、強靭なアゴで噛り付いて食べてしまう。獰猛な肉食性だ。

Dodoni CC 表示 3.0

しかし、メガネウラの場合、巨体と翅の構造などから考えても、俊敏に飛行しながら獲物を捕らえていたとは考えにくい。貧弱な飛行能力で、どのように逃げ回る獲物を捕らえていたのか…詳しい事は分かっていないようだ。歩き回ってエサを捕食していたのかもしれないし、成虫になってからは何も食べずに暮らしていたのかもしれない。

南米に生息するハビロイトトンボは蜘蛛の巣に自ら体当たりし、落ちてきた蜘蛛を捕食するという特殊な狩りを行う。もしかすると、メガネウラも私たちの想像を超える奇妙な捕食スタイルを持っていたのかもしれない。

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メガネウラのヤゴ

現在のトンボは卵から生まれ、ヤゴと呼ばれる幼虫期間を経て、成虫であるトンボへと姿を変える。メガネウラにもヤゴとして成長する期間があったと考えられ、メガネウラのヤゴの大きさは最大30㎝にも達していたとする説もある。

現生トンボのヤゴ
現生トンボのヤゴRison Thumboor CC 表示 2.0

トンボのヤゴは幼虫といえども獰猛な食性を持ち合わせており、ミジンコやボウフラなどの小さな獲物から、小魚やオタマジャクシの大きな獲物まで捕食する。餌が足りない時には共食いすることもあるほどだ。

メガネウラのヤゴが何を食べていたのか、はっきりしたことは分かっていないが、現生のヤゴ同様、小型の両生類や魚類、水棲昆虫などを捕食していたとする説が有力だ。

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メガネウラはなぜ絶滅した?

メガネウラが絶滅した理由については今も議論が続いているが、酸素量の上昇により氷河期へと突入していったこと、飛行性爬虫類の登場、火山活動の活性化により酸素量が低下したことなどが可能性として挙げられている。

現在分かっている範囲内では、メガネウラは最長でもペルム紀末期には絶滅したと考えられている。(メガネウラが属する原蜻蛉目というグループは、少なくとも中生代三畳紀まで生息しており、ジュラ紀初期まで生き残っていた可能性もある。)

enriquelopezgarreによるPixabay

とにもかくにも、この時代の巨大昆虫は、恐竜が本格的に繁栄するのを見ることもなく、絶滅への道を歩んだようだ。

正直、翼長70㎝の昆虫だなんて、風の谷の世界だけで十分だ。現代に生き残っていなくて本当に良かった

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