【トマトの雑学8選】実は毒性?野菜か果物かの裁判!トマトの歴史が面白い

ケチャップの原料!サラダの彩り!みんな大好きトマト――。

普段から何気なく食している食材ですが、その歴史はとても古く様々な逸話が残っています。今回はそんなトマトの驚愕の雑学を紹介します。

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トマトの雑学

トマトとは?

トマトは南米アンデス山脈地帯を原産とする緑黄色野菜です。その歴史は古く、16世紀頃には栽培が行われていた記録が残っています。

1990年代まではナス科トマト属の植物とされていましたが、様々な系統解析の結果、近年ではナス科ナス属と見直されました。

現在では、世界各国で8,000種を超える品種が生み出されており、多くの国で食卓に欠かせない食材となっています。

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黒いトマトが存在する

トマトには多くの品種が開発されており、姿かたちも様々です。その中でも一際異彩を放つのがインディゴ・ローズ(Indigo Rose)と呼ばれる黒いトマトでしょう。

黒〜紫色の外観を持つこのトマト。中身は暗い赤紫色をしており、お世辞にも食欲をそそるとは言い難いのですが、実際にはとても栄養豊富で健康に良いとされています。

このトマトに多く含まれるアントシアニンと呼ばれる抗酸化物質は、糖尿病や肥満予防、早期老化防止に期待されています。

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トマトは有毒だとされていた

現在では体に良いとされているトマトですが、16世紀のヨーロッパでは「poison apple(毒リンゴ)」と呼ばれ、有毒の植物とされていたことはあまり知られていません。

当時の貴族達が好んで使っていたピューター食器には鉛が多く含まれていました。この器を使ってトマトを食べたため、酸性のトマトにより鉛が溶け出し鉛中毒となる人が多かったと言われています。

鉛中毒の原因がわかった後も、猛毒の植物であるベラドンナとトマトの苗が似ていたことから毒があると信じる人が多かったそうです。

かつてトマトは観賞用だった

ヨーロッパの人々に猛毒を持っていると誤解されたトマト。誤解が解けた後もトマトを食べようとする人は少なく、長い間鑑賞用の植物とされていました。

しかし、当時イタリアに住んでいた貧困層の人々の中からトマトを食用にしようと考える者が現れました。彼らが200年にも及ぶ改良を重ねた結果、現在の美味しいトマトができたと言われています。

ちなみに、トマトが日本に伝わったのは江戸時代に当たる1600年代。当時の日本でも真っ赤な色が気味悪がられ食用とはされず、明治時代に入るまで観賞用とされていました。

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トマトには実際に毒がある

長い期間を経て有害ではなく体に良いことが証明されたトマトでしたが、実はトマトに微力の毒が含まれています。

トマトに含まれるトマチンというアルカロイド配糖体。複数の菌に対する抗菌作用や昆虫に対する忌避効果がある毒性の成分です。

気になるのは人に対する有害性。トマチンの含量は品種によっても異なりますが、食用とされるトマトは品種改良が行われており、人体への健康被害は無視していいレベルだそうです。

トマトが果物か野菜か最高裁判所で争われた

スイカと並んで野菜なのか果物なのか分からなくなりがちなトマト。一般的にはトマトは野菜だというのが常識ですが、過去にはトマトが野菜か果物かが裁判で争われた事もありました。

1893年アメリカー。当時の関税の制度では野菜を輸入すると税金を納める必要がありましたが、果物の輸入には関税がかけられていませんでした。

そこで輸入業者たちはトマトに関税がかからないように「トマトは果物だ!」と主張。しかし、役人たちはこれを認めず「トマトは野菜である!」としました。

植物学者も加わり論争はエスカレート。最終的に米国最高裁にまで話がもつれ込み、裁判所での判決に委ねる形となりました。

多くの人々を巻き込んだトマト裁判は「トマトはキュウリやカボチャと同じように野菜畑で育てられている野菜である。また、食事中に出されるが、デザートにはならない」との判決が言い渡され、『トマトは野菜である』という結論に至ったそうです。

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ジャガイモとトマトは合体する

園芸に詳しい方にとっては常識かもしれませんが、ジャガイモの茎にトマトの苗を接ぎ木することで一つの苗『ジャガトマ』として栽培する事ができます。

接ぎ木とは、2つの異なる植物を上部と下部に切り分け、人の手によってくっつけてしまう手法。これはジャガイモがトマトと同じナス科の植物であるために成せる手法であって、どんな植物でも出来るわけでは無いようです。

地上ではトマトを収穫し、トマトを採り終えた頃にはジャガイモが収穫できる。そんな夢のような栽培方法ですが、ジャガイモとトマトの育成環境が異なる事などから両方とも美味しく育てるのは難しいようです。

また、1978年にドイツで生み出された『ポマト』と呼ばれるトマトとジャガイモの雑種も存在します。

こちらはトマトとジャガイモの細胞融合を行う事で、耐寒性に強いトマトを作る目的で行わた研究でしたが、トマトもジャガイモも収穫できない失敗作だったようです。

トマト・ミニトマトの間にミディトマトがある

たとえトマトが大好きな人であっても「大玉トマト」と「ミニトマト」の間に「ミディトマト」という分類があることを知らない人は多いようです。

意外かもしれませんが、大玉トマトやミニトマトといった区分はトマトの品種には関係なく、果実の重さを表した言葉です。

200g以上であればトマト。20-30gはミニトマトと定められており、その中間の重さだったものがミディトマトとされます。また、ミニトマトはプチトマトと呼ばれる事もありますが、プチトマトは和製語なので海外では通じないそうです。

ちなみに・・・塩トマトと呼ばれるトマトが人気ですが、これは熊本県八代地域の塩分の多い土壌で育成されたトマトの内、特別に糖度が高いものを指すブランド名のようなもので、トマトの品種は関係ありません。

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トマトは夏の季語だけど夏が1番美味しくない

トマトと言えば夏のイメージが強い方も多いかもしれません。実際に日本の伝統文化である俳句などでトマトは夏の季語とされています。

このように、完全に夏野菜のイメージが定着しているトマトですが、意外にもトマトが一番おいしいとされる旬の時期は、春~初夏と秋なのです。

トマトが食用として栽培されるようになったのは明治時代。当時は温室などの設備が不十分だったため、トマトを食べるには春に種をまいて夏に収穫するしかありませんでした。このことから夏野菜としてのイメージが定着したと考えられています。

そもそもトマトは高温多湿に弱く、蒸し暑い日本の夏にはあまり向いていません。そのため、国産のトマトであれば夏以外の季節に収穫されたものが一番美味しいそうです。


今日はトマトに関する様々な雑学について取り上げてみました。

子どもの頃にトマトをフルーツの一種だと思いこんでいた記憶がありますが、実際に野菜か果物かを争う裁判が行われていた事には驚きました。

これからトマトを食べる機会があったら、ちょっとだけ感慨深くなってしまいそうですね。

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