世界には人間が立ち入るべきではない危険な場所が数多く存在する。それは、自然の力によってできた危険地帯から、人間の所業によって作られてしまった汚染地域など様々だ。
今回は世界各地に存在する人間が立ち入るべきではない超危険地帯をピックアップしてご紹介しよう!
世界の危険地帯
①崋山
中国五名山の一つである「崋山」。高さ2000mを超える山頂へのルートは仏教や道教の修行地として古くから利用されてきた。

山頂に上るためには花崗岩の山肌に無理矢理取り付けられた幅20‐30㎝ほどの足場や、梯子のような階段を上っていかなければならない。命綱を取り付けるためのチェーンが用意されてはいるものの一つ間違えれば命はないだろう。
ちなみに、2013年には全長4211mに達する世界最長のロープウェーが利用できるようになり、比較的安全なルートでのアクセスも可能になった。
②王の小道(エル・カミニート・デル・レイ)
スペインにある「王の小道」は峡谷の断崖絶壁に設置された危険な歩道だ。道幅1m未満の狭い桟道が全長3㎞にわたって続いている。
治水工事のための移動用として1905年に完成したのだが、1921年に当時の国王がダム完成式典に出席する際に通行したことから「王の小道」と呼ばれるようになったそうだ。

ダムの完成後、100年以上放置されていたため、荒廃や崩落が続いており死亡事故も発生している。2015年には改修工事が行われ、現在はロッククライミングの名所として人気がある。
③ボリット湖の橋
パキスタンにあるフンザの川(ボリット湖とも)に架けられた今にも壊れそうな橋。ところどころ足場が外れており、場所によっては1m以上もまたいで渡る必要があるという。
驚くべきことに現在でも現地の人々はこの橋を使っているそうだ。現在使われている橋のすぐ横には朽ち果てた古い橋が撤去されることなく垂れさがっており、渡る者の恐怖心を倍増させている。
④ヤコブの井戸
アメリカ合衆国テキサス州にある観光客で賑わう天然プール。水深20‐30㎝の川底にポッカリと空いた巨大な縦穴が「ヤコブの井戸(ジェイコブズ・ウェル)」だ。この縦穴は地下を走る水中洞窟の一部であり、洞窟の全長は1300m以上に及ぶ。

開口部の大きさは直径3.7m。そこから垂直に9.1m進んだ所で川底に辿り着く。川底には人が入れないほどの入り組んだ狭い横穴がたくさんあり、最深部は地上から37mの深さに達する。
過去には潜水中の死亡事故も発生しており、水中に掲げられた警告文が、この洞窟の危険性を物語っている・・・。
⑤カラチャイ湖
ロシアに属するカラチャイ・チェルケス共和国にあるカラチャイ湖。写真で見ると自然豊かな湖畔にしか見えないが、実際には1時間滞在するだけであらゆる動物が死に至る「死の湖」だ。

旧ソ連時代、カラチャイ湖の周辺には核兵器開発により排出された多量の放射性物質が投棄され続けた。周辺住民への健康被害が明らかになった後も、十分な対策が取られないまま放置されたことにより「死の湖」が完成してしまったのだ。

現在も湖の底には相当な量の放射性物質が沈殿していると考えられており、「世界一汚染した場所」と称されることも多い。
⑥ラムリー島
ミャンマー領に最大の島であるラムニー島は、大量のイリエワニが生息する危険な島。

太平洋戦争の終戦間際、ラムニー島に潜伏していた多くの日本軍兵士が、ラムニー島に生息していた野生のイリエワニに襲われたとの説があり、「動物がもたらした最悪の災害」としてギネスブックにも登録されたほど。
イリエワニは体長6mにも達するほどの大型のワニだ。こんなのに囲まれてしまったらひとたまりもないだろう。
⑦ミギンゴ島
アフリカ・ビクトリア湖にあるミギンゴ島。サッカーコートの1/4ほどの面積しかないこの島は世界一人口密度の高い場所として知られている。住民の数は100-1000人ともされ、島には美容室や薬局、バーにホテルまで存在しているそうだ。
これだけ多くの人が生活しているため、治安や衛生的な危険性はもちろんのこと、暴風雨などの天災が発生した場合に逃げる場所はどこにもない。
ちなみに、ミギンゴ島からたった200mの地点にはミギンゴ島の数倍も大きなウギンゴ島があるのだが、こちらの島には誰も住んでいないという。なんでも、ウギンゴ島には魔女が宿っているため上陸してはいけないのだとか・・・。
⑧南極大陸
地球上でもっとも過酷な環境の大陸が南極大陸だ。南極大陸は地球上で唯一永住者がいない、いわゆる「人が住めない大地」なのだ。

南極の最低気温は-89℃に達し、日本での最低気温よりも40℃以上も寒いことになる。氷点下を下回る南極では、すべての水分が凍ってしまうために空気が極度に乾燥している。もし、のどが乾いたとしても水が凍ってしまうため飲み水の確保すらできないのだ。
⑨マホビーチ
カリブ海にあるオランダ領の島シント・マールテン島。観光客でにぎわうこの島の人気スポット「マホビーチ」は、ある意味で世界一危険なビーチと言えるだろう。

マホビーチのすぐ隣にはプリンセス・ジュリアナ国際空港の滑走路が走っており、海水浴を楽しむ人々の頭上を飛行機が飛び交うのだ。
ビーチから高度20-30mのところを1日に10回以上も飛行機が離着陸し、飛行機が通り過ぎた後には強烈な気流と巻き上げられた砂が襲い掛かる。
これほど劣悪な環境のビーチでありながら、物珍しさから多くの観光客が訪れ、有名な観光地となっている。
⑩ユンガスの道
南米ボリビア多民族の首都ラパス市からアマゾン森林地帯までを80㎞に渡って走るユンガスの道。別名「死の道路」と呼ばれる世界的にも類を見ないほどの交通の難所だ。

ユンガスの道は山岳の断崖絶壁を切り開いて作られており、車が1台しか通れないほどの道がくねくねと続いている。カーブ上になった崖っぷちにはガードレールが設置されておらず、垂直に800mも切り立った箇所もあるのだ。
さらに、路面状況も悪く、落石や倒木のほか、豪雨や霧が発生することも多いのだ。一年間に平均209件の事故が発生しており、96人が死亡しているという。
⑪デビルズプール
日本では世界三大瀑布と称されるヴィクトリアの滝。落差110mという巨大な滝のすぐ手前にデビルズプールと呼ばれる天然のプールが存在している。

滝が流れ落ちるポイントからほんの数メートル手前に大きなくぼみがあり、そこで世界一危険な天然プールを楽しめるのだ。プールでは現地のガイドが補助を行ってくれるが、滝つぼに落ちてしまった場合は助かる見込みはないだろう。
ちなみにヴィクトリア湖の水量は雨季と乾季で10倍以上も差があるといわれている。より恐怖を味わうためには雨季に訪れるのがおすすめだ。
⑫ダロル湖(ダロル火山)
エチオピアにある不気味な湖「ダロル湖」。ダロル火山の周辺ではいくつもの食塩泉や酸性泉が湧きあがり、黄色や緑色の不気味な風景を作り出している。
泉の水質はph1を下回るほどの強酸性で、夜になると噴火による硫黄の燃焼で青い炎が広がる。

ダロル火山は陸地で最も低い噴火口をもつ火山であり、火口のすぐ近くからメラメラと燃える溶岩を除きこむことができる。
また、この一帯は地球上で最も暑い場所のひとつとしても有名で、日中には気温が50℃に達することも珍しくない。
⑬ギアナ高地
南米にある地球最後の秘境「ギアナ高地」。ギアナ高地では、ほぼ垂直に切り立った崖が数多く存在し、100を超えるテーブルマウンテンを形成している。
標高は高い場所で3000mを超えるため、タイミングによっては雲の上に山が顔を出し「空に浮かぶ島」のような景色を見せる。

ギアナ高地で最も落差のあるエンジェルフォールという滝は、落差979mにもおよび、あまりの高さに滝がしぶきとなってしまい地表に届かないほどだ。
もしも、ギアナ高地の森の中を歩く場合には、一歩先が崖になっていないかということに細心の注意を払う必要がある。
⑭世界一危険なテニスコート
危険なのは自然だけではない。ドバイの7つ星高級ホテル「ブルジュ・アル・アラブ」に設置されている屋上テニスコートは、間違いなく世界一危険なテニスコートだ。

地上から200mの屋上に作られたテニスコート。普段はヘリポートとして使われており、時々テニスコートやゴルフの練習場として貸し出されるそうだ。
もちろん、コースアウトしたボールの回収は不可能。プレイヤーがコースアウトした場合も助かる見込みはないだろう。
⑮ケイマーダ・グランデ島
ブラジル南部沖の大西洋に浮かぶ小さな島「ケイマーダ・グランデ島」は、ヘビに支配された島として有名だ。

海面の上昇により島に取り残されたゴールデン・ランスヘッドという種類のヘビが環境に適応して大量繁殖した結果、人間が立ち入ることができないほど危険な島となっている。
多いときで43万匹のヘビが生息していたと考えられており、推計では1㎡あたりに1匹という驚異のヘビ密度だ。
⑯マラカイボ湖
南アメリカ大陸最大の湖であるマラカイボ湖は世界一雷の発生する場所と言われている。
1年のうち260日、1日で4万本の稲妻が発生したことがあるともいわれており、1時間に3600本の稲妻が発生することからギネス記録にも認定されている。

この地域では「音の無い雷(マラカイボの灯台)」という不思議な現象が発生することでも有名で、古くから航海の重要な目印として利用されてきた。
無音であったとしても雷であることには変わりないため、過去には死亡事故も多数起きている。
⑰エベレスト(チョモランマ)
ネパーツと中国の国境上に山頂を持つエベレスト(チョモランマ)。標高8,848mと世界最高峰を誇る。

1893年のエベレスト登頂計画の発足以降、数多くの登山家たちが登頂に挑戦してきた世界的に有名な山であるが、多くのプロの登山家たちが命を落とした危険地帯でもある。
登山ルートには無数の巨大なクレバスが存在し、急激な天候の変化や猛烈な吹雪が襲い掛かる。標高8000mを超えた低酸素エリアはデスゾーンと呼ばれ、登山者の意識を朦朧とさせるのだ。

登山ルートの随所に残された100体以上の遺体は寒さと乾燥によりミイラ化し、登山ルートの目印となっているものもある。
⑱キブ湖
アフリカ中央部に位置する巨大な湖「キブ湖」。広大な自然に囲まれた美しい湖であるが、この地域で生活する人々は常に死の危険と隣り合わせになっている。

この湖では活発な火山活動によって、有毒性のある炭酸ガスやメタンが大量に発生している。これらのガスが溶け込んだ水は比重が重いために湖の底に蓄積されている。
蓄積されているうちは問題の無いガスであるが、何らかのきっかけで湖水爆発を起こすと大量の二酸化炭素が地表へと吹き出し、辺り一帯が無酸素状態となってしまう危険性があるのだ。

過去にカメルーンのニオス湖で起きた湖水爆発では1800人以上が亡くなっているが、ニオス湖の数千倍もの大きさのキブ湖では200万人以上に被害が及ぶとも言われている。
⑲ニジェール・デルタ
史上最悪の石油汚染地域ともいわれるのがナイジェリア南西部に位置する「ニジェール・デルタ」だ。
1950年頃から始まった油田開発は現地の人々の暮らしを豊かにするかに見えたが、40年以上もの間、管理の行き届かないパイプラインから原油を流出させる結果となった。
現在でも、飲み水は高濃度の炭化水素に汚染されており、農作物は育たず、汚染した魚が売買されている。
ナイジェリアでは、この地域以外にも多くの汚染地域が発生しており、1970-2000年の間に7000回以上の流出事故がある。過去50年間に150万トンもの原油が流出したとの試算もあるが、そのほとんどは除去されることなく放置されている。
⑳クリスタルの洞窟
地球上の景色とは思えないほど美しいクリスタルの洞窟。一見、とても美しい場所にも思えるが、特殊な装備なしで立ち入ると10分と持たずに死に至る危険地帯だ。

メキシコの地下300mの鉱山で発見されたこの洞窟は、長さ27m、幅9mほどであるが、内部の気温は58℃に達し、湿度は90-100%に達する。
本来はクリスタルの周りは地下水に満たされているのだが、現在は周辺の鉱山採掘のために洞窟内の排水が行われている。数年後、鉱山の操業が終了すると、洞窟内は地下水に満たされる予定だという。