家に出没する厄介者といったイメージが強かったネズミたちだけど、最近では可愛らしいペットとしての人気も高くなっている。
有名どころではハムスターやモルモットが人気だけれど、世界にはほかにもたくさんのネズミたちが生息しているのだ。
今回は日本~世界に生息する大型のネズミや小型のネズミ、可愛いペットとして有名なネズミたちを画像や動画と一緒に見ていこう!
ネズミの種類
世界には約2000~3000種のネズミ目の動物がいると言われている。 現生の哺乳類が4300~4600種ほどと考えられているので、約半数がネズミの仲間なのだ。”いかにもネズミ”な小さいネズミのから、どうみてもネズミには見えない大型種まで様々な動物が存在している。
※この記事では「ネズミっぽい動物たち」をネズミとして紹介しているけれど、ネズミ目には分類されない種類も混じっている。リスだってネズミ目だしね!まぁそんな細かい事は置いといて、ネズミの可愛さに酔いしれよう!
ペットで人気のネズミ
ハムスター(キヌゲネズミ)
今となっては犬や猫に次ぐ大人気ペットのハムスターだけど、彼らも本来は野生のネズミ。ハムスターは【キヌゲネズミ亜科】というカテゴリーに分類される動物で、生息地では農作物を食いあらす害獣とされることもあるのだ。
モルモット
ペットで有名なモルモットはテンジクネズミ属の一種。ネズミの中でも特に温厚な性格で飼育しやすい。ペットのほか、武器や薬品開発の際には実験動物とされたり、食用として養殖されたりと人間に振り回されている。こんなに可愛いのに…。
デグー
元々、ヨーロッパでペットとして人気が高かったデグー。最近では日本でも人気が高いらしく、ホームセンターのペットコーナーなどで見かけることも。野生下でも社会性を持って生活しているため、ハムスターよりも人にも懐くと言われている。
チンチラ
生息地はチリのアンデス山脈。飼育下ではかなり長生きすることもあるようで最長記録は20年以上。ペットショップでは生後間もない可愛らしいチンチラを見かけることも多いが、生まれてすぐに親から引き離された子供は免疫力が弱いことが多く、大人になると30㎝近い体長になることもある。飼育する場合は計画的に!
ファンシーラット
ここ数年でペットとして人気が上昇してきている感のあるファンシーラット。クマネズミ属のネズミだ。そもそもクマネズミは家畜化されたドブネズミ。18‐19世紀にかけて「ブラッド・スポーツ(動物狩りや動物同士の格闘を楽しむ余興)」の標的として家畜化されたが、現在ではペットとして可愛がられている。
小型でかわいいネズミ
ピグミージェルボア( コミミトビネズミ )
正式名称はバルチスタンコミミトビネズミ。パキスタン・アフガニスタンの砂漠地帯に生息する。成長した個体でも500円玉程度の大きさしかなく、それでいて二頭身。可愛らしいことでペットにしたいという人も多いようだけど、飼育方法も確立されていないので飼育のプロ以外は辞めておこう。飼育が流行ると絶滅するぞ!
スナネズミ
中国・モンゴル・ロシア南部などに生息する小型のネズミ。乾燥した厳しい環境に生息することで天敵から逃れている。飼育下の個体の約2割がてんかん体質言われており、てんかんの研究の医療実験に活用されることも。
野生の大型ネズミ
カピバラ
ネズミ目テンジクネズミ科の一種で、世界最大のネズミの仲間だ。体長は1m超え、体重は最大60Kgを超える。人間にも良く懐くため動物園などでも大人気。過去には日本の動物園で露天風呂に入るカピバラの姿が世界的に話題になったこともある。
ヌートリア
体長40~60㎝、太ったカワウソとビーバーを足したような見た目のヌートリア。別名「沼狸(ぬまたぬき)」日本では戦時中に毛皮採取のために連れてこられたヌートリアが野生化してしまい、生態系を破壊する侵略的外来種として問題視されている。
ビーバー
ダムを作ることで有名なビーバー。尾はオールのような形をしていて、足には水かきがある。ネズミの中で唯一「総排出腔」を持っている。などなど、まさにカモノハシのような変わったネズミだ。直径15cm程度の樹であれば10分そこらで倒すことができる最強の木こり。
総排出腔とは?…排泄・排尿・生殖のための穴が分かれておらず、一つしかない状態のこと。哺乳類だとカモノハシやモグラなど一部の種だけが総排出腔システムを採用している。
プレーリードッグ
名前にDog=犬と付いているけれどネズミの仲間。正確にはネズミ目リス科の哺乳類だ。一夫多妻制で縄張り意識が強い。巣穴は地中深くまで複雑な形状で作られており、出口が複数あるため天敵から逃れることもできる。
ヤマアラシ
天敵から身を守るための鋭い棘を背負っているのが特徴のヤマアラシ。地上で生活する「ヤマアラシ」と樹上性の「アメリカヤマアラシ」に別れていて名前は似ているけれど、生息地も生態も異なる生物。遠く離れた土地で異なる先祖から進化したのに同じ姿になるなんて素敵やん!
マーラ
テンジクネズミ科の動物でカピバラに次ぐ世界最大級のネズミ。カピバラ以上にネズミ感は薄れていて、こんな見た目だけどモルモットの仲間。一夫一妻制で一度カップルになると一生添い遂げ、子育ても夫婦で行うと言われている人間以上に進んでる奴ら。ただし、飼育下では彼女を何匹も作るらしい。
アフリカオニネズミ
最大体長45㎝、尻尾の長さも45㎝に達し、全長90㎝クラスになる大型ネズミ。意外にもペットとして飼育しやすいらしい。アフリカオニネズミの優れた嗅覚は地雷の探知や除去に活用されており、金属探知機よりも効率よく検知が出来るのだとか。
家に出没するネズミ
クマネズミ
日本全域・世界各地に生息するクマネズミ。ドブネズミ・ハツカネズミと並んで家屋に住み着く『家ネズミ』として知られている。昔の日本の家では細々と天井裏で生活していたが、巨大なビルの建設に伴って急激に増殖を続けているという。
ドブネズミ
名前の通り、下水や河川など湿っぽい場所を好んで生活しているネズミ。天井裏に生息するクマネズミに対して、ドブネズミは台所など水気のある場所で生活している。泳ぎが得意で中には数百mもの距離を泳ぐことができる個体もいるそうだ。
ハツカネズミ
家に出没するネズミの中でももっとも小型なネズミの一つ。日本各地に生息しており、海にぽつぽつ浮かんでいる小さな島にまで生息している。実験動物としてアルビノの白いハツカネズミが利用されることも多い。
アカネズミ
アカネズミは日本の固有種で、北海道から九州まで広く分布している。アカネズミは家に住み着くことはあまりなく、森林や田畑のあぜ道などで見かけることができる。野生で生活しているためか驚異のスタミナの持ち主で、行動範囲は一日数Kmに及ぶ。
不思議なネズミ
パンダマウス
その名の通り、ジャイアントパンダのような模様をしたハツカネズミの一品種。ハムスターのようでもあるけれど、ハムスターには無い長い尻尾を持っているのが特徴だ。1990年代に流行したハムスターよりもペットとしての長い歴史を持っており、すでに江戸時代には「豆斑(まめぶち)」という名前で親しまれていたとか。
ハツカネズミ(アルビノ)
アルビノは、生まれつきメラニン色素を作る機能が損なわれた遺伝子疾患を持った動物のこと。色素の不足のために体や毛が白くなり、目が血液の色で赤くなっている。実験動物としても知られており、様々な研究に活用されている。
ビスカッチャ
完全にウサギにしか見えないがネズミの仲間。体長は50㎝ほどで、尾が柴犬のような巻き尾になっている。常に目が半開きで眠そうにしているのが可愛いとネットでも評判らしい。南米のアンデス地方に生息しており、現地では食用とされることもある。
ハダカデバネズミ
地中生活を送るネズミで体毛が無く、視力もほとんどない。10~290匹もの大規模な群れを形成し、役割分担を行って生活する珍しい社会性哺乳類だ。長きにわたる地中での生活の成果か、完全な無酸素状態でも18分ものあいだ耐え抜くことが分かっている。見た目以上にすごいやつ。さらにガンに対する強い耐性をもっていることが判明し、現在も研究が進められている。
日本では珍しい野生種
レミング
北極から北極近辺のツンドラ地帯に生息するネズミ。個体数が増加した際には集団移住することが分かっており、大量にいたレミングが突然いなくなることから「死の行進=海へ飛び込む集団自殺を行う」という伝説が長く信じられていた。和名ではタビネズミと呼ばれる。
オポッサム(フクロネズミ)
ネズミに似た外見からフクロネズミと呼ばれているが、実際にはカンガルーなどと同じくお腹の袋で子どもを育てる有袋類。子供を背負って生活することでコモリネズミとも呼ばれることも。また、死んだふりを熱演することでも有名。
ミクロビオテリウム
ミクロビオテリウム科に属するチロエオポッサムもネズミのようでありながらネズミではなく有袋類。10㎝程度の体長なのにしっかりお腹の袋(育児嚢)も持っている。現地では噛まれるとひきつけを起こす動物と思われているようだけど、そんなことは無いらしい。