【首なし鶏マイク】頭は猫に…頭部が無いまま生き続けた鶏の奇跡

「頭部を切り落とされてなお、生き続ける生物がいたとしたら、それは幽霊か何かの類だ。」多くの人々はそう考えるだろう。

しかし、過去には首を切り落とされたまま18か月間も生き続けた奇跡のニワトリが存在するのだ。食材になるはずだった一羽の鶏は、数日のうちに世界一有名なニワトリへと大出世することになった――。

Alexas_FotosによるPixabay

今回は、「首を切られ頭部が無くなったにも関わらず、生き続けた奇跡のニワトリ」の生涯を当時の画像とともに紹介していこう。

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首無しニワトリ「マイク」

首なしマイクの誕生

1945年9月――。コロラド州の農家「ロイド・オルセン家」では、自宅で飼っているニワトリを絞める作業が行われていた。

いつものように1匹のニワトリの首をはねたところ、首が取れたニワトリの胴体が歩き始めたのだ。しばらく様子を伺っていたものの、首のないニワトリは絶命する気配すらなく、毛づくろいをするような動きをしていたという。

首を切り落とされたマイクの画像
By Source, Fair use, Wikipedia

ニワトリは翌日の朝になっても、何事もなかったかのように動いていたそうだ。

そこで、ロイド氏はこのニワトリに「マイク」という名前を与え、昨日絞めた他の鶏肉と一緒に精肉市場へと連れて行った。こうして「首なしマイク」は誕生したのである。

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首なしマイクは儲かるぞ

首なしマイクが賭けに使えると考えたロイド氏は、「首がなくても生きている鶏がいるかどうか?」と人々に質問し、ビールなどを勝ち取ったという。

首なしマイクを見た人々の噂は瞬く間に広がり、地元新聞のインタビューが訪れ、見世物小屋のセールスマネージャーの目に留まることとなった。首なしマイクで一稼ぎできると踏んだマネージャーは、すぐにマイクをスカウトしたようだ。

アメリカの見世物小屋
当時は動物や人間を利用した見世物小屋が流行していた。PublicDomain

ユタ大学にて「生きている」ことが証明された首なしマイクは、双頭の牛などの見世物小屋の動物たちと共にアメリカ中を飛び回ることになった。首なしマイクの噂はアメリカ全土に広がり、ライフ誌やタイム誌といった大手メディアにも取り上げられることとなったという。

一説によると、マイクは入場料25セントで、1ヶ月に4,500$(現在の約5万$相当)の収益を上げたと言われている。

首なしマイクはなぜ生きている?

考えるまでもなく「首をはねられたニワトリ」が生き続けることは難しい。なぜ首なしマイクは生存することが出来たのだろうか?

マイクの検査を行ったソルトレイクシティ「ユタ大学」では、「マイクの頚動脈は首をはねられた直後に凝固した血液でふさがれ失血が抑えられていた。また脳幹と片方の耳の大半が残っていた。」ということが分かった。

しかし、マイクが有名になったあと、自分もマイクを作り出そうと考えた人々による「ニワトリの首斬りブーム」が到来したが、第二の首なしマイクが現れることはなかった。これにより、首なしマイクが誕生したのは奇跡的であったことが証明されたのだった。

ちなみに、生きているとはいえ首のないマイクは食事すらとれなかった。ロイド氏は切断した首の穴から、スポイトを使って水と餌を与えていたそうだ。

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首なしマイクの最期と頭部の行方

首なしマイクの最期はあっけないものだった。見世物小屋の興行でアリゾナ州のモーテルを訪れていた首なしマイクは、喉に流動食を詰まらせてしまったのだ。

死の間際の様子については諸説あり、「ロイド氏が興行先に給餌用のスポイトを忘れたため手の施しようもなく窒息して死亡した。」という話が有名な一方で、「ロイド氏が気づいた時には、すでに息絶えていた。」という話もあり正確なところは分かっていない。

PublicDomain

1945年9月10日に首を切り落とされたマイクは、18ヶ月間後の1947年3月もの期間を生き続けた。マイクの死後、ギネス記録には「首がないまま最も長生きした鶏」として登録されている。

ちなみに、マイクの見世物小屋ではニワトリの首のホルマリン漬けが展示されていたが、これはマイクのものではなかったそうだ。マイクの頭部はというと、切り落とした直後に猫に食べられてしまったらしい。

首なしマイクのその後

マイクの故郷であるフルイタでは、毎年5月の第3週末を「首なし鶏の日」として、小さな祭が開催されるそうだ。首が無くても生き続けたマイクの生命力を讃えているという。

世界で最も有名なニワトリとまで言われたマイクだったが、死亡したマイクの亡骸がどのように葬られたのかについては分かっていないようだ。ロイド氏のひ孫の話によると、「マイクの亡骸は砂漠に放置され、コヨーテに食べられたのだと思う」とのこと。

この話が本当だとすれば、ロイド氏にとってマイクは家畜以上でも以下でもなかったように思える。

マイクは生き残れたことを後悔しなかっただろうか…。どうか、首なしマイク自身が「楽しい生涯を歩めた」と感じていたことを願うばかりだ。

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