【西部劇のコロコロ】タンブルウィードが転がる意味がスゴイ

皆さんは西部劇をご覧になったことがあるだろうか?

西部劇には必ずといってもいいほど登場するコロコロ転がっているアイツ。

今回は、あの謎のコロコロの正体ついて調べてみた。

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西部劇のお約束‐タンブルウィード

西部劇とは、19世紀後半のアメリカ西部開拓時代を描いた舞台や映画のこと。

開拓魂に溢れる勇猛果敢な主人公が、ヒゲ面の無法者なんかと戦ったりしちゃうアレだ。

西部劇といえば、やっぱり決闘シーン。

拳銃をホルダーにしまったまま、ヤルかヤラレるかの緊迫した状況は見ているこっちがゾクゾクしてしまう。

撃ち合いの直前に周囲が静まり返ると、待ってましたと言わんばかりにピューっと風が吹き、アイツがコロコロ転がっていく。

きっと、コロコロが無かったら、あれほどの緊迫感は生み出せないだろう。それほど、あのコロコロは大事なものなのだ。

ワニオはずっと…牛か馬のエサの牧草が転がってるんだろう。

なんて思っていた。エサ用に置いてあった牧草が風に吹かれて丸まって転がっているのだと思っていたのだ。

しかし、よく考えてみると日本であんなコロコロ転がっていく牧草なんて見たことない。

あのコロコロは一体なんなのだろうか?

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タンブルウィード(回転草)という植物だった

調べてみたところ、あのコロコロの正体はタンブルウィードという植物だった!

タンブルウィードは日本では回転草と呼ばれるヒユ科オカヒジキ属の植物。ハリヒジキともいうらしい。

秋になると、風に吹かれてコロコロと転がりながら種子を撒き散らしていく。なんだかイカした植物なのだ。

柔らかい乾燥した牧草のようにも見えるけど、実際には結構固くてトゲだらけ。

小型車くらいの大きさになるものもあって、時には民家を埋もれさせてしまうほどの厄介な雑草らしい。

転がるまでの経緯が面白い

タンブルウィードは、普段は他の植物と同じように地面から生えている。

しかし、冬の乾燥した時期になり枯れてくると茎がとても脆くなる。少し風が吹くだけでポキッと根元から折れてしまうのだ。

解き放たれたタンブルウィードは風に吹かれるまま何キロもの距離を転がり続ける。

この間に、20万個を超える種子を撒き散らして生息範囲を広げていくのだ。

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本来はアメリカの植物ではなかった

タンブルウィードは西部劇には無くてはならない貴重な植物なのだけど、実はアメリカの植物ではなかったらしい。

タンブルウィードは本来ならばユーラシア大陸の植物で、ウラル山脈の東に広がる草原地帯に生えていた。ロシアなどが故郷なのだそう。

アメリカ合衆国でタンブルウィードが最初に発見されたのは1877年のこと。

北米中西部にあたるサウスダコタ州バナム郡で発見されたのち、続々と各地で見つかった。驚異的な生命力によって生息範囲を広げていったようだ。

一説によると、今から150年ほど前、ロシアの農業者がアメリカに持ち込んだ種子の中に偶然タンブルウィードの種子が混じっていたことが流入の原因と考えられている。これが各地に広がったのだ。

タンブルウィードは最強で厄介な雑草

タンブルウィードは驚異的な生命力によって、爆発的に生息範囲を広げる厄介な外来種だ。

冬の寒い時期、コロコロと転がりながら数キロに渡って撒き散らされた種子は、気温が暖かくなるのを待つ。

そして、昼間の気温が0℃を超えると、一斉に発芽するらしい。

発芽したタンブルウィードは周囲のわずかな水分によって成長し、最大で地下2mにまで根を伸ばす。畑なんかに生えてしまったら掘り返すのも大変だ。

しかも、タンブルウィードはどこにでも生えることができる。痩せた土地に栄養豊富な土壌、酸性の土地からアルカリ性の土地、乾燥地に湿地帯まで、どんな環境でも発芽することができるのだ。

追記:以前タンブルウィードの花として紹介していた画像は全く違う花だったようです。ごめんなさい。「植物好き」さん、また教えていただきありがとうございます!

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タンブルウィードをどう食い止めるか

外来種というのは、動物であれ植物であれ、元から存在していた生物の生存を脅かす。特に人為的に持ち込まれたものは、巡り巡って人類の生存すらも危険にさらすことになるのだ。

そのため、多くの外来種は駆除の対象となっている。

タンブルウィードを例外ではなく、生息範囲の広がりを食い止めようとする試みが行われているそうだ。

アメリカ合衆国の科学者たちは、ロシアやウズベキスタン、トルコといった国々の研究者の協力を得て、タンブルウィードの駆除方法を模索している。

現実的な案としては、タンブルウィードの本来の自生地に生息するダニやゾウムシ、ガ、菌類などをアメリカに持ち込む方法だ。

彼らはタンブルウィードを食べることができるため、上手くいけばタンブルウィードを根絶やしにすることができるかもしれない。

ダニ

しかし、新たな外来種によってタンブルウィードの駆除に成功したとしても、彼らが次なる脅威となる可能性は捨てきれないのだ。

そのため、現在のところ、アメリカ政府は新たな外来種による駆除を許可していないそうだ。

コロコロ転がる姿はとても可愛い

今回はタンブルウィードという植物について紹介したんだけど、なんだかんだいってアイツら可愛い。

現地では民家や車を埋もれさせる厄介者らしいけど、見てるだけなら面白い植物だよね。

最後にコロコロ転がるタンブルウィードの動画をどうぞ。

転がり過ぎ!やばいぜ!

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