【ラフレシア】世界最大の花は寄生植物だった!人食い花と言われた幻の花の真実

みなさんはラフレシアという花をご存知でしょうか?ポケモンのモデルになったことでも有名なあの花。

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赤い花びらにブツブツの模様・・・見るからに気味が悪いラフレシア。過去には『屍肉の臭いを放つ不気味な人食い花』として恐れられていたこともある植物です。

今日はそんなラフレシアの雑学や魅力、またラフレシアは何故臭いのか?という疑問に迫りたいと思います。

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ラフレシア

ラフレシアとは?

ラフレシア(Rafflesia)は東南アジア〜マレー半島に分布するラフレシア科ラフレシア属の植物で、細かく分けると十数種類にのぼります。

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肉厚で90cm程に達する巨大な花をつけることで知られた植物です。花びらは他に類を見ない特徴的な質感で、踏みつけると発泡スチロールのようにパリパリと割れるそうです。

巨大な花や、独特な臭い、また血のような真っ赤な花びらに白い斑点がついた奇妙な色合いから、『気味の悪い花』とされることもしばしばあるようです。

かつては人食い植物だと思われていた

この花が世界的に知られることとなったのは1826年のことでした。

1913年に描かれたラフレシアのスケッチ

現在のシンガポール国の創設者であるトーマス・ラッフルズは、当時、イギリスの植民地開拓のために東南アジアを探索していました。

その際、森林に咲き異臭を放つ巨大な花を発見したのです。

その花の異様な大きさや、屍のような臭いを放つことなどから、同行者たちは「人食い花ではないか?」と恐怖しましたが、勇敢なラッフルズは「そんな迷信があるものか!」と花に触れることで安全を証明したと言われています。

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ラフレシアの名前の由来と花言葉

ラフレシアには十数種類が存在しますが、広く知られたラフレシアの代表種は、最初に発見されたラフレシア・アルノルディイです。

ヨーロッパ人でラフレシアを最初に発見したトーマス・ラッフルズ

ラフレシア・アルノルディイという名前は、ヨーロッパ人の第一発見者である『トーマス・ラッフルズ』と、調査探検に同行した博物学者の『ジョセフ・アーノルド』の名前にちなんで献名されました。

ちなみに、ラフレシアの花言葉は『夢現-ゆめうつつ』とされています。

夢現とは、夢と現実の区別がつかないことを意味しています。それほど不思議なオーラをまとった植物ということでしょう。

茎・根・葉がない寄生植物

ラフレシアは見た目もさることながら、その生態も少し変わっています。通常の植物の基本的なパーツである葉・根・茎がラフレシアにはありません。木の根元などにポツンと花だけが咲いているのです。

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さらに、ラフレシアは植物でありながら自ら光合成を行うことができません。根が無いため、土から栄養を吸収することもできず、光合成もできません。それでは、ラフレシアはどうやって栄養を補給しているのでしょうか?

その答えは至ってシンプル。なんと、ラフレシアはブドウ科の植物の根などに寄生し、他の植物が作り出した栄養を奪う【全寄生植物】なのです。

寄主の細胞内に入り込んだラフレシアの微細な糸状の細胞列は、寄主が光合成などで作り出した栄養を奪いながら花を咲かせるのです。

ラフレシアは、人食い植物ではありませんでしたが、植物食い植物だったということです。

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ラフレシアの花を見れたら奇跡的

ラフレシアは、他の植物の細胞内に入り込む寄生植物だということがわかりました。そのため、根や葉、茎などの部位がないので、人間が肉眼で確認できるのは花の部分だけということになります。

巨大な花なので見つけるのは容易な気もしますが、実際にラフレシアの花を見つけることは非常に困難だと言われています。

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ラフレシアの寿命は約2年と言われています。しかし、2年もの間ずっと花を咲かせているわけではありません。

他の植物の細胞に入り込んだラフレシアは、約2年間かけて子孫を残す準備をします。

そして、準備が整うと90cmにもなる巨大な花を咲かせるのですが、この花は約2~5日で枯れてしまうそうです。

つまり、ラフレシアの花を見るには開花した3日間しかチャンスがないのです。まるで、長い期間を幼虫のまま過ごし、成虫になった途端に死んでしまう、セミのような生態です。

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ラフレシアは世界最大の花

90cmにも達するラフレシアの花は世界最大と言われています。しかし、様々な分野における『世界一』を認定しているギネス記録によると、世界最大の花は『ショクダイオオコンニャク』とされています。

世界一大きな花と言われるショクダイオオコンニャク

「どちらを最大の花とするか?」については意見が分かれる部分ですが、シャクダイオオコンニャクが最大と言われるのは、花序とそれを覆う仏炎苞の複合体を1つとして考えた場合であり、そこに群生している単体の花はラフレシアとは比べ物にならない程とても小さいのです。そのため、『1つの花』という単位でのサイズを考えると、ラフレシアが世界最大となるようです。

ちなみに、このショクダイオオコンニャクもラフレシア同様に強烈な臭いを放つ植物として知られています。

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ラフレシアはなぜ臭い?

最後に、今回のメインテーマである『ラフレシアはなぜ臭いのか?』について説明します。

ラフレシアが臭いのは数時間だけ?

そもそも、ラフレシアの花は咲いてから2~5日間で枯れてしまうのですが、花が咲いている間ずっと臭いという訳でもないようです。

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花が咲いていてから、ある程度の期間は強烈な臭いを放ちますが、その臭いは枯れる前には徐々に薄らいでいくそうです。また、ラフレシアの種類によっては全く臭くないという情報もありますが、あまりよくわかっていないそう。

それでも、ラフレシア・アルノルディイなどの一部の種が、強烈な臭いを発することは事実であり、『死肉のような臭い』や『トイレの臭い』などと例えられます。

ラフレシアは匂いで昆虫を集めていた

ラフレシアは、強烈な臭いを発することで現地に生息しているクロバエ科のオビキンバエ属のハエなどの昆虫をおびき寄せます。これらの昆虫は、動物の死骸や糞を使って繁殖するという特徴を持っています。

動物の死骸や糞の臭いだと勘違いしてやってきた昆虫たちは花の奥まで誘導され、雄花から分泌される粘液を体中に付着されることになります。

よく見るとハエが群がっているのが分かる。  -MaewNamCC表示継承

この粘液の中にはラフレシアの花粉が混じっており、動き回った昆虫が花の奥に入り込み、雌しべの柱頭に触れることで受粉させるのです。鮮やかな赤色をした花びらは、動物の死肉を思わせる効果もあるというから驚きですね。

つまり、ラフレシアが臭い理由は『動物の死骸や糞のふりをして動物に受粉させるため』という事のようです。

ちなみに・・・ラフレシアはその異様な見た目や昆虫を誘い込む生態から、「食虫植物じゃないの?」と勘違いされがちですが、決して昆虫を捕食しているわけではないので食虫植物ではありません。

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