南極大陸ってどんなとこ?南極の過酷な気候と不思議な現象

地球の最南端に位置する氷の大地『南極大陸』。

そこには想像を絶する過酷な環境が広がっていた。

今回は普段は気にすることのない南極の全貌に迫ってみよう。

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南極

氷の大地―南極大陸。地球上で最も寒冷な地域の一つだ。

3000万年もの時間をかけて降り積もった雪が溶けることなく氷の地面となって一面に広がっている見渡す限り真っ白な世界。

南極は-90℃を超えることもあるほどの極寒の地であり、普段僕たちが暮らしている日本からは想像もできない過酷な環境なのだ。

今回は、そんな南極の魅力について見ていこう!

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南極の地理

まずは、南極の地理的な基礎知識についておさらいしておこう。

南極の位置

地球はミラーボールのように軸を中心にグルグルと回っている。その軸の北側が北極点で、南側が南極点と決められている。この南極点にある大陸が南極大陸だ。

ちなみに、北極には地面がなくて氷が浮いているだけ。つまり大陸ではない。

一方、南極大陸は氷雪に覆われてはいるが、厚い氷の下にはちゃんと地面があるので大陸ということになる。

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南極の定義

南極点を中心に南緯66度33分までの地域は『南極圏』と呼ばれる。

単に南極といった場合、どこからどこまでを指すのかについては諸説あるけど、南極条約では『南極大陸と南極圏の棚氷を指す』と定義されている。

ここで出てくる棚氷とは、陸上でできた氷が海に押し出されたもの。陸上から連結して洋上にあるものを指すのだそう。つまり、南極大陸の周りにある氷は陸上から押し出されてきたものなのだ。

ちなみに、棚氷と混同されやすい海氷というのは海水が凍ったものだから全くの別物。海氷よりも棚氷の方が分厚くなりやすいらしい!

魔の海域と南極収斂線

南極大陸の周りには『南極収斂線(南極収束線)』と呼ばれる「氷塊の不連続線」が不規則に広がっている。

南極収斂線は「波が高く常に嵐が吹き荒れているような海域」で、そこを突っ切っていかないと南極大陸にはたどり着けないという。

中でも有名なのがドレーク海峡。世界でも最も荒れる海域の一つで、ギネスブックでは世界一幅の広い海峡として認定されている。最狭部でも約650kmもあるんだとか。

ドレーク海峡を含む南緯60度付近はいつも荒れているため”shrieking sixties”(絶叫する60度)と呼ばれている。

陸地が全く存在しないために強風や海流が遮られないことによって高波になりやすいそうだ。

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南極大陸の大きさ

南極大陸は、地球上にある6つの大陸のうち、5番目に大きな大陸。
※大陸の数については諸説あるため、6つとしない場合もある。

約1400万km2の面積を持ち、オーストラリア大陸の約2倍の大きさとなっている。地表の約98%は氷で覆われており、その厚さは平均して約2kmにも達するそうだ。

地面の上に平均2kmの氷が乗っかっていることになるため、南極大陸の海抜は平均2km上乗せされていることになる。

南極にいる人々

南極大陸や周辺の島々には、意外にも多くの居住者がいる。ここでは南極に住む人々についてみていこう。

南極大陸の人口

南極大陸は『唯一人類が定住していない大陸』とされることもある。永住している人間はいないため厳密には人口は0人とされている。

ただし、現在では各国の研究者などが各基地にて生活しているため、南極大陸には常に誰かしらいることになる。

周辺諸島を加えると冬には約1000人、夏には約5000人程が南極で生活している。1年を通じて滞在し越冬する人も多いらしい。

南極で生まれた人もいる

南極には永住者はいないにも関わらず、南極で生まれた人たちが複数いる。

南極収斂線の内側で誕生した初の人物は、ノルウェー国籍の女性ソルヴェイグ・ヤコブセン。彼女が生まれたのは1913年10月8日で、鯨油基地があったグリトビケンでの誕生だった。

その後の1978年には、アルゼンチンのエスペランサ基地でエミリオ・パルマが生まれ、南極大陸で生まれた初の人物となった。

実は、このエミリオ・パルマの南極大陸での誕生は故意に行われたものだったそうだ。

妊娠7ヶ月だった彼の母親はアルゼンチン政府によって、夫のいる南極のエスペランサ基地へ移送された。南極で自国の国民が誕生すれば、領有権主張を優位に進めることができるというアルゼンチン政府の思惑があったようだ。

最終的にアルゼンチン政府の領有権主張が世界に認められることは無かったが、エミリオ・パルマは地球上で最も南で生まれた人物となった。

彼らの他にも南極圏で生まれた人は複数存在しており、現時点では10人以上もいるらしい。

ちなみに、日本の昭和基地には出産の設備が整っていないため、女性越冬隊員に対しては妊娠検査が義務付けられている。妊娠が発覚した女性は安全のために日本への帰国が命じられるそうだ。

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南極の気候

南極はイメージ通り、とても厳しい環境だという。ここでは南極の気候について見ていこう!

南極の最低気温

南極大陸は地球上で最も寒い場所とも言われるけど、どのくらい寒いのだろう?

過去に観測された最低気温は、1983年7月21日、ロシアのボストーク基地での−89.2 °C。

日本での最低気温(公式記録)は、北海道旭川市で1902年に計測された-41℃なので、それよりも40℃以上寒いんだ。怖すぎ!

南極の最高気温

南極は高緯度のため、太陽が一日中沈まない時期がある。夜中でも昼のように明るいのだ。

夏の晴天時には、一日中太陽が沈まないせいで、太陽光の照射量が同時期の赤道上よりも多くなることもあるそう。

2015年3月24日には、アルゼンチンのエスペランサ基地にて17.5℃の最高気温が記録されている。

最低気温との差が100℃以上もあるのだから驚きだ。といっても17℃って普通に寒いよね。

なぜ南極と北極は寒いのか

南極と北極、どちらもとても寒くて生物が生きていくのには厳しい環境。なぜ地球の両極は寒いのだろうか?

その答えは太陽の位置にある。

南極と北極のちょうど中間の地点は赤道と呼ばれており、太陽は赤道付近を通っていく。だから、太陽から近い赤道は暖かくて、赤道から離れた地点である南極と北極は寒くなるというわけだ。

あとは光の当たる角度とか気候とかも関係してくるのだろうけど、専門的な話はワニオには難しすぎたので割愛。

ちなみに、北極よりも南極の方が断然寒いらしい。氷の厚みのせいで、ほとんどの地点で標高が海抜3000メートル以上になっていることが原因なのだそう。

場所によっては、平地に見えても富士山の山頂並みの標高というわけだ。

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南極で見ることができる不思議な現象

南極大陸では、日本では絶対に見ることができないような不思議な現象に遭遇することができるという。

沈まない太陽

北極と南極では、一日中太陽が沈まない時期がある。逆に太陽が沈みっぱなしで一日中真っ暗な時期もあるのだ。

夏になると日が長くなり冬には短くなるように、太陽の軌道は時期によって変わる。

それが原因で、地球の高緯度に位置する両極では、こんな不思議な現象が起きるのだ。

オーロラ

オーロラは、太陽から飛んでくる「太陽風」と呼ばれるプラズマが、地球の大気とぶつかる事によって起きる光学現象。

夜になるとヒラヒラとカーテンのように煌めき、数時間ものあいだ肉眼で確認することができるそうだ。

ただし、太陽が沈まない時期は一日中明るいため、オーロラを肉眼で見ることができない。

ちなみに、オーロラは北極圏と南極圏で発生することが多いけど、実は日本でも確認されることがある。北海道や新潟では、けっこう頻繁に観測されているらしい。

グリーンフラッシュ

グリーンフラッシュは、太陽が水平線に沈む一瞬と日の出の瞬間にのみ発生する非常に珍しい現象。

ほんの一瞬だけ太陽からの光が緑色に輝くという。大気がプリズムの役目となり、赤や黄より屈折率の大きい緑色の光だけが目に届くのだ。

南極の大気はゴミが少なく澄みきっているためグリーンフラッシュが発生しやすいそうだ。

ダイヤモンドダスト

細氷とも呼ばれるダイヤモンドダスト。大気中の水蒸気が昇華してできた、とても小さな氷の結晶がキラキラと輝く現象だ。

気温が氷点下10℃以下の状態のときに発生しやすいため、南極では頻繁に確認することができる。

幻日

幻日とは、太陽と同じ高度の太陽から離れた位置に光が見える光学現象。まるで太陽が複数あるように見える。

雲の中にある六角板状の氷晶がプリズムの役割を果たすことで、このような現象が起きるらしい。関係ないけど幻日って名前がカッコいいよね。

サンピラー(太陽柱)

サンピラーは太陽柱とも呼ばれる、日の出と日没時に発生する光の柱。地面に対して垂直方向に、激しく燃える炎のような光が発生する現象だ。

こちらも空気中の氷晶が原因となるほか、先ほど紹介したダイヤモンドダストによっても発生することがあるらしい。

サンピラーは太陽以外にも、月の光や遠くにある地上の街灯によって引き起こされることもある。

南極もすごいけど人類もすごい

南極について調べていくなかで感じたことは『南極すげぇ!でも人類もすげぇ!』ということ。

-40℃とかの世界に基地建てて、1年以上生活して、子供まで作ってしまうんだ。

ここ200年くらいの間に、人類は地球のすべての大陸を制覇したわけだけれども、今度はどこを目指すんだろう。

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