【ワールドジャンプデー】世界一おバカな地球温暖化対策!効果はあったのか!?

地球に住むわたしたちにとって、現在最も深刻な問題だといってもいい『地球温暖化現象

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地球温暖化をザックリと説明すると、本来は太陽からの恵みであるはずの「光=熱」が地球を暖めすぎることによって、多くの野生動物や植物が生きていくことが出来なくなるという現象だ。

このまま地球温暖化が進めば、近い将来、私たち人類も絶滅する日が来るのかもしれない。

今この瞬間も、世界各国の研究者たちが地球温暖化を食い止めるべく、様々な研究を行なっているが、過去には地球温暖化から地球上の全生物を救うための一大プロジェクトが行われたこともある。

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その名も『ワールド・ジャンプ・デー』だ。

西半球で生活をする6億人の人々が、同時にジャンプすることで地球の軌道をずらし、地球温暖化をストップさせよう!というあまりにも壮大でおバカで試み。

果たしてワールドジャンプデーは地球の軌道をずらすことに成功したのか…実際に効果はあったのか…詳しく見ていこう!

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ワールドジャンプデーとは

世界時間(GMT)の2006年7月20日10時39分13秒ーー。

おそらく、この時間が世界で最も多くの人々が同時にジャンプした瞬間だろう。インターネットでの呼びかけに賛同した西半球の人々は、この時、宙に浮いていたことになる。

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ワールドジャンプデーと名付けられた地球規模の一大イベントは、人々がジャンプした後の着地の力によって地球を太陽から遠ざけ、地球温暖化を回避しようという壮大な目的を持っていた。

計画の詳細は至ってシンプルだ。

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西半球にいる6億人の人々が同時にジャンプすれば、地球の軌道が少しだけずれ、太陽からの距離を離す事ができる。

太陽から地球までの距離が少しだけ離れることによって、太陽から受ける光のエネルギーがほんの少し減少するため地球温暖化を食い止める事ができる。

・・・なんというおバカで愛すべきアイデアなのだろうか

爽快すぎるこの計画には多くの人々が賛同し、その時刻を迎える瞬間には世界各地でジャンプする人々が確認されたのだとか。

ワールドジャンプデーの公式ホームページでは、賛同した人々に対して『前日のお知らせメール』が配信され、最低2分間はジャンプし続けるように指示があった。

公式ホームページによると約6億人以上の人々がワールドジャンプデーに参加したとのこと。6億人という数字は、当時の全世界のインターネット利用者の約半数あたる人数だ。

ただし、この参加人数は主催者側が意図的に改ざんしたものだという指摘もあるようだ。そもそも、この数字が本当なのであれば、西半球のインターネット利用者が全員ジャンプしていたことになる。確かにそんなことはあり得ないだろう。

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ワールドジャンプデーに効果はあったのか?

6億人という参加人数が主催者側に誇張されたものだったとしても、実際に西半球ではワールドジャンプデーに多くの人々が参加したのは事実なのだ。

ある場所では公園に…また、ある場所ではパーティ会場に集まり、多くの人々が同時にジャンプしていた。

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はたして、このジャンプには効果があったのだろうか…?

筆者は数学や物理学に精通していないため、自ら計算して確認することはできないが、ネット上の博識な方々の意見を見る限りでは全く効果は無かったようだ。

ネット上では以下のような否定的な意見が目立っている。

  • 人間が宇宙速度(=人工衛星などを宇宙に飛ばすことが出来るくらいの速度)以上でジャンプできない限り、地球の軌道を変えることは不可能。
  • 人間と地球は互いに力を及ぼしあっているので、ジャンプと着地の際にかかる地球への力は相殺される。
  • 体重100Kgの人間60億人が同時に1.25mの高さでジャンプしても、地球にかかる力は水素爆弾のエネルギーの2%程度。地球の軌道は1つの原子の半径程度もズレない。
  • ジャンプをしていなくても、地球の軌道は楕円形であるため、すでに太陽との距離が変わってきているが、地球温暖化に影響は見られない。

当時は、これらの説に対する反論もあり、ネット上では議論が起こっていたようだが、ジャンプから14年が経過した現在でも地球温暖化問題は解決していないことから、ほとんど効果は無かったようだ。

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ワールドジャンプデーに対する世界の反応

ワールドジャンプデーの効果は『実際に地球の軌道をずらせたか…』という点では失敗といえるだろう。しかし、世界各地に影響を与えた一大プロジェクトであったことは否定できない。

ワールドジャンプデーの開催が発表されて以降、世界各地でワールドジャンプデーに賛同する個人・団体による協力を呼びかけるウェブサイトが立ち上げられた。

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一方で、ワールドジャンプデーは科学的根拠に乏しいとして、より正しい地球温暖化対策を呼び掛けるサイトも登場。

更には、ワールドジャンプデーによって地球の軌道が変わってしまうと予知しなかった不測の事態が巻き起こると主張し、ワールドジャンプデーによってズレた地球の軌道をもとに戻すために、東半球でジャンプしようと呼びかけるサイトなども開設された。

とにもかくにも、当時ネットに入り浸っていた世界中の人々は『地球温暖化についてどう行動すべきか?』ということについて考えていたようだ。

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ワールドジャンプデー理論はウソだった!

当時のネット上では、世界中の人々を巻き込んでジャンプの効果についての議論が白熱していたが、そもそもワールドジャンプデー理論自体がフェイクだったということが後々発覚した。

ワールド・ジャンプ・デーの理論を提唱したのは著名な学者である『ハンス・ピーター・ニースワード教授』とされていたが、実際にはドイツ人の芸術家である『トルステン』という人物による創作話だった事がわかっている。

もちろん、ハンス教授なる人物もこの世には存在せず、ワールドジャンプデーの公式サイトの登録者情報からも、トルステン氏がサイトの所持者という事が判明しているのだ。

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つまり、そもそもワールドジャンプデーは科学的根拠のない理論に基づいたイベントだったようだ。

トルステン氏がどのようなつもりでワールドジャンプデーというイベントを立ち上げたのかは不明だ。

ワールドジャンプデーが開催された際には、ネット上でも賛否両論の意見の対立が起こったが、地球温暖化という人類が経験したことの無い『世界的な危機』について考え、意見を交わし合う、いい機会になったのではないだろうか。

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