「ありえない!」その時代にあるはずがない、謎の超テクノロジー『オーパーツ』。古代の壁に描かれたヘリコプター、恐竜と人間が共存していた証拠…。僕らの常識を揺さぶる『未知』のロマンは、いつだって心を鷲掴みにして離しませんよね!

しかし…!科学という名の光が、その謎に満ちたオーパーツの影を暴き始めています。これまで「本物」と信じられてきた数々の伝説が、実は壮大なニセモノや勘違いだったことが次々と発覚!ファンからは「もうロマンが残ってない…」なんて悲鳴が聞こえてくるほど。
さあ、心の準備はいいですか?今回は、そんな夢とロマンに満ちたオーパーツたちの「驚きの正体」を暴いていきましょう!これから紹介するのは、正体が解明されてしまった9つの物語です!
正体を暴かれたオーパーツたち
ハトホル神殿の壁画「デンデラの電球」
「古代エジプトに電気があった!?」…そんな衝撃的な説の根拠がこれ、ハトホル神殿の壁画です。巨大な電球のようなものを抱える人物…た、確かにこれは、フィラメントまである電球そのものに見える!

このあまりにも有名なオーパーツ。オカルト界では「蛍光灯の原型、ガイスラー管だ!」なんて大真面目に語られてきました。
…が、しかし! 専門家が言うには、これはエジプト神話の一場面、「ヘビを内側から産むハスの花」を描いたもの。よーく見てください!フィラメントだと思っていたものの先端…なんと目が描かれているんです!そう、これ、ヘビだったんです!

今でもエジプトの考古学者たちは、「どう見てもヘビなのに…」と、本気で電球だと信じる人々に頭を抱えているんだとか。ロマンを信じたい気持ち、わかりますけどね!
バグダッド電池
2000年以上前のイラクの地層から発見された、謎の壺…その名も「バグダッド電池」。これがオーパーツ界を震撼させました。

壺の中には銅の筒、さらにその中には鉄の棒。これ、学校で習った電池の仕組みそのものじゃないですか!中に液体を注げば電気が発生する…古代人が電気を使っていた証拠だ!と大騒ぎに。
この構造にロマンを感じずにはいられません。古代のメッキ工場で使われていたのでは?なんて説まで飛び出しました。

…ですが、残念!今では「電池ではなかった」という説がほぼ確定しています。
その正体は、なんと「巻物の保管容器」。鉄の棒は巻物の芯で、銅の筒はそれを保護するケース。中に残っていた液体の正体は、巻物の素材だったパピルスが腐ってできたもの。なんだか、急にガッカリしちゃいますよね(笑)。
クリスタルスカル(水晶髑髏)
オーパーツの王様、キング・オブ・オーパーツといえばこれ!「クリスタルスカル」!あの『インディ・ジョーンズ』も追い求めた、ロマンの塊です。

マヤやアステカ文明の遺跡から発見されたとされ、一つの巨大な水晶から、工具の跡もなく完璧に削り出されたという伝説。まさに神業、いや、宇宙人の仕業としか思えません!
所有者たちは「現代技術でも再現不可能!」と豪語し、見つめていると未来が見えるだの、病が治るだの、もう言いたい放題。

しまいには「13個集めると宇宙の真理がわかる!」なんて、まるでマンガのような伝説まで生まれました。
…しかし、科学のメスは容赦なかった! 大英博物館などが所蔵する有名なスカルを徹底的に調べた結果、なんと表面に回転工具の跡がバッチリ発見!これは19世紀以降に使われ始めた技術。そう、ほとんどが「19世紀に作られたニセモノ」だったのです!
バールベックの巨石
レバノンにある世界遺産、ジュピター神殿。その土台に使われているのが、この「バールベックの巨石」です。写真じゃ伝わりにくいですが、そのサイズ、まさに規格外!

重さはなんと推定650t~950t! ジャンボジェット2機分以上!「現代の最新クレーンでも持ち上げるのは不可能。古代人にこんなもの運べるわけがない!」と、オーパーツの代表格とされてきました。
ある実験では「この石を1マイル動かすのに15000人が必要」なんて計算も出て、「ほら見ろ、やっぱり宇宙人の仕業だ!」と盛り上がったのです。

…ところがどっこい! 人類の底力、なめてはいけません。ロシアにある「青銅の騎士」像の土台は、なんと1350tもありますが、これは人力だけで3年かけて6kmも運ばれています。時間をかければ、不可能じゃないんです!「1日で1マイル運ぶ」なんて無茶な設定をしなければ、の話ですけどね。

Ralph Ellis CC 表示-継承 4.0
ちなみに、よくオーパーツとして紹介されるこの写真の石は、石切り場に放置されたままの「南の石」という別物。こっちは2000t級ですが、そもそも運ばれてすらいないので、オーパーツと呼ぶのはちょっとズルいかもしれませんね!
コソの点火プラグ
「50万年前の地層から、自動車の部品が見つかった!」…そんなニュースが世界を駆け巡りました。それが、この「コソの点火プラグ」です。

発見者が言うには、これを覆っていた石は、なんと50万年前のものだとか!50万年前って…人類がまだ火を使い始めた頃ですよ!?そんな時代に点火プラグ?超古代文明、確定じゃないか!と大興奮を呼びました。
…ですが、真実はあまりにも、あっけないものでした。 2000年、コレクターたちがX線でこの物体を調べた結果…「これ、1920年代のチャンピオン社製プラグで間違いないわ」と、あっさり特定されてしまったのです。

そもそも「50万年前」というのも発見者の自己申告で、鑑定した地質学者が誰なのかも不明。どうやら、ちょっと話を盛りすぎちゃったみたいですね。
ちなみに、このお騒がせな点火プラグ、今ではどこにあるのか誰も知らないそうです。なんだか、それ自体がミステリーですね。
カブレラストーン
「古代人が恐竜を見ていた証拠が見つかった!」…それが、この「カブレラストーン」です。ペルーの医師カブレラが集めた1万5000点もの石には、信じられない光景が刻まれていました。

なんと、人間が恐竜に乗ったり、戦ったりしているんです!人類の歴史がひっくり返る大発見!恐竜は絶滅していなかったのか!?と、世界中のミステリーファンが熱狂しました。

…しかし、この壮大な物語には、あまりにも人間くさいオチが待っていました。 イギリスBBCの取材に対し、「それ、俺が作ったんだ」と制作者本人が登場!あっけなく、ニセモノ確定です。
作り方は実にシンプル。歯医者さんのドリルで石に絵を彫り、靴墨と動物のフンを塗りたくり、火であぶって古っぽく見せていたんだとか。生活のためにやったそうですが、そのせいで世界中が大騒ぎになったんですから、たいしたものです。
コロンビアの黄金ジェット
古代の黄金細工の中から発見された、どう見ても「飛行機」にしか見えない物体。その名も「黄金ジェット」!
今から1200年以上も昔のコロンビアで作られたとされるこの黄金細工。翼に尾翼、操縦席まであるように見える…。「古代人は空を飛んでいたんだ!」「宇宙人がもたらしたテクノロジーだ!」と、古代宇宙飛行士説の最強の証拠とされてきました。
そのフォルムは航空力学的にも優れているとされ、なんとこれをモデルにしたラジコンが実際に空を飛んだことで、信憑性はMAXに!
…ですが、これには巧妙なトリックがありました。 実は、飛行実験で使われたラジコンは、ちゃんと飛ぶように翼を大きくするなど、設計がアレンジされていたんです。つまり、似た形のラジコンを飛ばしていただけだったんですね。

しかも、この「ジェット」は、発掘された数多くの黄金細工の中の一つに過ぎません。周りには魚や虫、鳥をかたどったものがたくさん。つまり、大量の動物フィギュアの中から、たまたま飛行機に見えるものを「オーパーツだ!」と騒いでいただけだったのです。

専門家によれば、モデルになったのは現地に生息する「プレコ」というナマズの仲間ではないか、とのこと。夢のある話でしたが、正体はちょっと可愛いお魚だったようです。
古代エジプトのグライダー
またまたエジプトから登場!2000年以上前の遺跡から発見された、滑らかな翼を持つ木製の物体。どう見ても飛行機の模型、「古代エジプトのグライダー」です!1969年、この説が提唱されるやいなや、世界中のミステリー界隈を熱狂させました。

提唱者の博士が行った実験では、この模型が驚くほどスムーズに滑空したんだとか!「これはライト兄弟よりずっと昔に、エジプト人が空を飛んでいた証拠だ!」と、オーパーツ界は色めき立ちました。
…が、ちょっと待ってください。 この模型、よーく見てみましょう。何かに気づきませんか?
そう、正面から見ると、ちゃんと目とクチバシがあるんです! 発見された当初、これは普通に「鳥の模型」だと考えられていました。どうやら、それが正解だったようです。

ちなみに、グライダー説を唱えたメシハ博士は、考古学者ではなく医学博士。考古学はあくまで趣味だったとか。熱意が少し先走ってしまったのかもしれませんね。
ただ、この鳥の模型が一体何に使われたのか(子供のおもちゃ?風見鶏?)は今も謎のまま。オーパーツではなかったけれど、小さなミステリーはまだ残っているようです。
アビドス神殿の壁画
オーパーツ界のラスボス登場!エジプトのアビドス神殿で見つかった、もはや言い逃れ不可能な壁画。そこに描かれていたのは…なんと、ヘリコプター、潜水艦、戦闘機!?

いやいや、これはもう見間違いじゃない!ローター、機体、潜望鏡…あまりにも現代兵器にそっくりすぎます!古代エジプト人が未来を予知していたのか?それともタイムトラベラーがいたのか!?
この写真が1997年に世界中に広まると、「古代エジプト、恐るべし!」と、オーパーツファンは歓喜の声を上げました。
…しかし、この奇跡の壁画にも、実は単純なタネ明かしがありました。

古代エジプトでは、王様が変わると、前の王様の名前が彫られた壁を漆喰で埋め、その上から新しい王様の名前を彫り直すことがよくありました。この壁画は、まさにその「上書き」の跡だったのです!
長い年月を経て上の漆喰が剥がれ落ちた結果、古い文字と新しい文字が偶然重なり、奇跡的にヘリコプターや潜水艦のような形に見えてしまった、というのが真相。ヒエログリフが読める専門家からすれば、「全然ヘリコプターじゃないけど…?」と、逆に不思議に思うそうです。ただ、こんな偶然が起こるなんて、それはそれで奇跡的ですよね!