目撃されるものの未だ存在が発見されることのない謎の生物「UMA(未確認生物)」。ネッシーやビッグフットなど、興味のない人でも名前くらいは聞いたことがあるのではないだろうか?
世界では数多くのUMAの存在が噂されているが、日本でも湖や山などで多くの未確認生物の目撃例がある。中には妖怪や神様として古くから伝承されている者も多いようだ。中には懸賞金がかけられるほど実在することが有力視された生物もいる。
今回は、普段あまり注目されることの無い『日本の未確認生物(UMA)』の種類を、参考画像を見ながら紹介していこう!
日本の未確認生物一覧
ツチノコ
日本の未確認生物としては最も知名度の高いツチノコ(槌の子)。北海道と沖縄を除く日本各地に言い伝えが残っており、実際に存在するかもしれない未確認生物として有力だ。
動きが非常に素早く、2m以上ものジャンプ力を持っているとされ、尺取り虫の様に身体の上下運動で移動する。尾を加えることでタイヤのように転がるとこもあるらしい。
他にも、『「チー」と鳴く、日本酒が好き、イビキをかいて寝る』などにわかには信じがたい言い伝えもある。
過去には「ツチノコを生け捕りにできたら懸賞金を支払う」という内容で町のPRを行う自治体もあり、兵庫県千種町では3億円もの賞金がかけられたこともあった。
一見すると胴が太ったヘビのような体型をしているが、言い伝えられている特徴からするとヘビではないようだ。『アオジタトカゲ』などの爬虫類と見間違えたとする説もあるが、目撃例があまりに多い事や古くから伝承されていることを理由に疑問視する声も多い。
タキタロウ
タキタロウとは、山形県鶴岡市の大鳥池に生息していると言われている巨大魚だ。体長は2~3m。イワナのような見た目とされるが、イワナは最大級の個体でも80㎝程度である。
1975年には、矢口高雄の漫画『釣りキチ三平』で「O池の滝太郎」として紹介されたことから全国的に有名となった。この影響もあってか、数回にわたり捕獲作戦が実行され、体長1.5mほどの個体が捕獲されたこともある。
タキタロウについて言及されている最も古い文献では1885年の『両羽博物図譜』が存在しているため、少なくとも130年以上前には巨大魚が目撃されていたようだ。
タキタロウの正体については未だに明らかになっていないが、大鳥池で独自の進化を遂げた魚類(雑種)という説が有力視されている。目撃談の多さと信憑性の高さ、数多くの文献が残っていることから、確実に巨大な魚が潜んでいることは間違いないようだ。
カッパ(河童)
日本の妖怪として有名な河童。妖怪というと作り話にしか聞こえないが、河童という概念の発祥をめぐる仮説の中には、「河童は未確認生物ではないか?」という説も存在している。
河童といえば緑色の肌をもち、甲羅を背負い、頭に皿がある姿が有名だが、地域によってその姿は異なる。カエルのような河童の姿は、山が無い江戸の人々が馴染みやすいように江戸時代広められ、19世紀に普及したものだ。
一部の地域に伝わる河童の姿は全身が毛におおわれており、古い文献にも「川に住む獣の一種」として紹介されている。
もちろん、伝説上の河童と同じような生物がいるわけではないが、サンショウウオなどの両生類や亀などの爬虫類、猿などの哺乳類と見間違えて河童という伝説が生まれた可能性は否定できない。
もしかすると、過去に絶滅した動物の中に河童のような生き物がいたのかもしれない。
人魚
人魚というと上半身が人間で下半身が魚の姿をした、いわゆるマーメイドを想像する人が多いかもしれないが、本来の日本に伝わる人魚は少し違う。
古来より日本で伝えられている人魚は、魚の頭部が人間の顔になった人面魚のような姿をしているのが特徴だ。地域によって恐ろしい生き物とされていたり、吉兆とされることもある。
リュウグウノツカイなど一般的な魚とは程遠い姿をした魚類や、ジュゴンのような海に生息する哺乳類を、「人間の顔を持つ魚=人魚」と見間違えた可能性もあるが、海のどこかに人間のような顔を持つ生物がいるのかもしれない。
雷獣(雷神)
雷獣は日本全国に伝わる妖怪の一種とされるが、数多くの言い伝えが存在しており、各地で姿や形が異なる。代表的な言い伝えでは、大きさは60㎝程度で犬やキツネのような姿をしており、落雷とともに地上に落ちてくると言われている。
様々な言い伝えや文献に残された特徴から、雷獣の正体は「雷に驚いて木から落下したハクビシンではないのか」という説が有力視されている。ハクビシンは本来中国大陸の生物であり、雷獣の噂が広まった江戸時代には日本での個体数はとても少なかったと考えられている。
もし、雷獣の正体がハクビシンだったとすれば、雷獣は存在が確認された数少ない未確認生物の一つなのかもしれない。
小さいおじさん
小さいおじさんは、2009年頃に日本のTV番組でタレントが「数センチ程度の小さいおじさんを見た」といった発言をしたことにより話題となった比較的新しい未確認生物だ。
海外でも様々な地域に「小人」の伝承があるが、日本における「小さいおじさん」は、ここ数年で急激に有名になったのが特徴的だ。
妖精や妖怪のようなオカルト的な存在として取り上げられることも多いが、実際には肉体的・精神的な疲労がもたらす幻覚症状である可能性が高いとされている。中には「レビー小体型認知症」などの重篤な病気の可能性もあると警鐘を鳴らす医師も多い。
その根拠として、目撃談の大半が就寝中または夜中であること、精神科の患者の中には小人の話をする人が多いことが挙げられる。
東京都の中央に位置する大宮八幡宮では、「小さいおじさんが住んでいる」といった噂が広まったことから年々参拝者が増えているそうだ。
小さいおじさんが存在するかどうかはわからないが、私たちは「未確認生物の言い伝えが発生する過程を目にしている」ということは間違いないだろう。
ニンゲン・ヒトガタ
ニンゲンとヒトガタは、南極海と北極海に生息する数十mの身体を持つ人型の未確認生物だ。南極に出現するものはニンゲン、北極に出現するものはヒトガタと呼ばれている。
白い体表に水かきのついた手を持ち、クジラほどもある巨体を持っているが、噂によって伝えられる姿形は様々だ。
なぜ、南極と北極のUMAを紹介するのかというと、ニンゲンとヒトガタは日本の掲示板で創造されたものという説が存在するからだ。現在では「南極のニンゲン・北極のヒトガタ」の噂は海外にまで波及し、ネットを中心に話題となっている。
最初にニンゲンとヒトガタの話を作ったのは誰なのか、どのような経緯で噂が広まったのか…現在では謎に包まれている。ネタとして作り出された架空の生物が現在では「生息するかもしれない謎の生物」になっていく…謎が生まれる瞬間を今まさに目撃しているのかもしれない。