巨大なクチバシがチャームポイントのオニオオハシ。ジャングルに生息する鳥類として見たことがあるという人も多いのではないだろうか。

今回は「オオハシはなぜクチバシが大きいのか?」「オオハシは飛べるのか?」といった疑問について見ていこう。
オオハシとは
オオハシとは、カリブ諸島を除く中南米に生息するキツツキ目の大型の鳥類。
身体に対して異様なほどの巨大なクチバシを持ち、カラフルで美しい体色を持っているのが特徴だ。

ジャングルに生息する鳥類の中では特に有名で、おとなしい性格と鮮やかな姿からペットとしての人気も高い。
オオハシの生息地
オオハシの生息地は、暖かい気候と緑に恵まれた中南米の熱帯雨林。6羽程度の小さな群れを作り、一部の種は樹洞の巣で休むことで知られている。

生息地ではペットとしての需要が高さと大人しい性格が仇となり、生息地域では乱獲が相次いでいる。
オオハシの食べ物
オオハシの主な食べ物は、熱帯雨林の気候がもたらす様々な果実。オニオオハシなど一部の種では昆虫やトカゲ、時には若鳥や卵なども捕食する。

オオハシは巨大なクチバシは採餌に好都合だ。クチバシをうまく利用することで、自身が乗ることが出来ないほどの細い枝の先についた果実も難なく採取することができる。果実の皮をクチバシを使って器用に剥くという知能の高さも見せるほど。
オオハシのクチバシの謎
オオハシの最大の特徴は、表面を薄い角質で覆われた巨大なクチバシ。大きさはオニオオハシで平均20cmにも達する。

実は何故これほど大きいクチバシを持つように進化したのか未だに分かっていないそうだ。仲間同士の個体識別に使われている説。警告色として威嚇に使われている説など様々な仮説が存在するが、大きなクチバシを使って威嚇を行うことはあっても攻撃に使用することはほとんどない。

また、近年の研究では、オオハシの最大種である「オニオオハシ」のクチバシが、体内の熱を血管を介して放出するラジエーターのような役割を持っていることがわかった。
オオハシは飛べる
大きく重そうなクチバシを持っているが、オオハシはキツツキ目に分類される鳥。もちろん空を飛ぶことだってできる。

オオハシの骨格標本を見てみても、とても飛べる鳥とは思えないバランスの悪さだけど、クチバシの軽量化によって飛ぶことが可能となっている。
実は、クチバシは六角形が規則正しく並んだ蜂の巣のようなスポンジ状(ハニカム構造)で出来ており、見た目ほど重くはないそうだ。これほどの巨大なクチバシを持っていながら軽々と飛ぶたつことが出来る。
動画では実際に飛ぶ様子をスローモーションで見ることができる。
オオハシの種類
オオハシは種類によって様々な体色を持っている。最後にオオハシの品種とオオハシの仲間(オオハシ科の鳥)をピックアップしてみよう。
オニオオハシ

オオハシの中でも最大種で全長66cmほどに成長する。黄色やオレンジ色のクチバシを持ち、おとなしい性格からペットとしての人気も高い。
サンショクキムネオオハシ

黄色の胸元と三色に彩られたクチバシが特徴。赤・青・白・オレンジ・緑といった多様なカラーのレインボーなオオハシだ。
アオハシヒムネオオハシ

黒がベースのオオハシが多い中、緑・青・黄・赤などのカラフルな色合いを持ったトリッキーなオオハシ。
ヒムネオオハシ

黒いクチバシと白い胸元のコントラスト。グラデーションのかかった水色の体色。芸術作品のような美しさを持つ。
シロムネオオハシ

情熱的な深紅のクチバシが特徴的なシロムネオオハシ。
チュウハシ

オオハシよりクチバシが小さいみたい。オオハシ科チュウハシ属。
ミドリチュウハシ

チュウハシの仲間としてミドリチュウハシもいる。緑の姿が美しい。